夜蘭(いぇらん)

CV:遠藤綾

総務司所属を称する謎の人物。しかし、総務司の名簿上では「存在しない人」となっている。
神出鬼没、所在不明、変幻自在、これらはすべて彼女を表す言葉である。(公式HPより抜粋)

プロフィール

誕生日:4月20日
所属:岩上茶室
神の目:水
命ノ星座:幽客座
名刺:一擲(いってき):「賽を作るのは至難の業よ。大雑把に作られた賽は、異なる目が不均等な重さになってしまうの。」
紹介文:総務司所属を称する謎の人物。しかし、総務司の名簿上では「存在しない人」となっている。

キャラクター詳細

璃月総務司の仕事は透明性が高い。上は玉京台の高官から、下は八門の末端従業員まで、全員の基本情報が政務名簿に載っている。
しかし唯一の例外は、総務司所属を自称する夜蘭だ。ほとんどの同僚は、彼女の名前すら聞いたことがなく、名簿にもそのような人物は載っていない。
その点は、神出鬼没、変幻自在な夜蘭らしいと言えるだろう。
彼女は幽霊のように、様々な姿であらゆる事件の中心に現れ、嵐が止む前に姿を消してしまうことが多い。
時折、一方の勢力が彼女の支援を受け、いい気になったりするのだが、そんな時は必ずもう一方の勢力にも同様の支援がなされる。
彼女にしてやられた者は、みな怒りに駆られるが、それでも、彼女の意図や立場を見抜けた者は誰一人いない。
中には、こう考える者もいる──彼女は謎の勢力のスパイで、波乱を煽り立て、利益を得ることに長けているのだと。
さらには、彼女はどこの組織にも属さず、明確な目的も持たない、ただのいかれた無法者だと断定する者までいるほどだ。
たとえ所属する組織や目的があったとしても、彼女はただ水をより濁らせ、火に油を注ぎ、すべての者を自身の創造した狂気の世界に引きずり込もうとしているのだろう。
こうした様々な憶測が飛び交う中、彼女に関することはやがてすべてが謎に包まれていった。真実を知るには、おそらく夜蘭本人に聞くしかないだろう。
ただ残念ながら、それすらも容易なことではない。なぜなら、彼女が誰かに会うと自ら決めるまでは、何人も彼女を永遠に見つけられないからだ。

命ノ星座

★共謀する者、以局征局(きょうぼうするもの、いきょくせいきょく)
★罠に陥る者、多々益善(わなにおちいるもの、たたえきぜん)
★壺振り師、賽子脆計(つぼふりし、さいしきけい)
★騙し取る者、移花接木(だましとるもの、いかつぎき)
★胴元になる者、三仙奇術(どうもとになるもの、さんせんきじゅつ)
★勝ち得る者、独り勝ち(かちえるもの、ひとりがち)

天賦

★匿影隠曜の弓(とくえいいんようのゆみ)
★絡み合う命の糸(からみあういのちのいと):彼女が糸に指を掛け、それを引いた時、陰謀を企てる悪党や賊たちは、初めて自分の定められて運命に気付く。
★深謀玲瓏賽(しんぼうれいろうさい):「賭け事ばかりしていてはダメよ。胴元として、数の大小でそれを説明してあげるわ。サイコロを1つしか持たない君が、どうやって私が持つ7つのサイコロに勝つのかしら?」
★先後の決め手(せんごのきめて)
★気随気儘(きずいきまま)
★長考一手(ちょうこういって)

神の目

夜蘭はもとより単独行動をしていたわけではない。かつては彼女のそばにも、水魚の交わりと称せるような同僚がいた。
様々な理由から、夜蘭と共に暗闇の中へ潜入することを選んだ者たちが少なからずいたのだ。
しかし当時の夜蘭は、まだはっきりと見極められていなかったーー詭計、囮、罠…彼女の得意とするこれらのことだけでは、すべてに対応できないかもしれないことを。
自制心の強い敵は囮に食いつかず、滑稽な敵は策謀にはまらず、驚異的な力を持つ敵は罠に落ちない。
その結果、彼らは代価を支払うことになったのだ。この道を選んだ彼ら自身が、とっくに覚悟を決めていたとはいえ…一人、また一人と同僚たちは少しずつ数を減らしていった。
そして、あるアビスの調査任務が終わるのを境に、ついに夜蘭の傍らには誰もいなくなってしまった。そこで彼女は進むのをやめ、長い間足を止めた。
ある日、凝光が直々に彼女の仮住まいである小屋を訪ねた。
「長いこと璃月港に戻ってきていないわね。きっと何かあったのでしょう?ここでやめても、理解に苦しみはしないわ。」
小屋の外に立つ凝光は、表情こそ安らかではなかったが、それでもいつも通りの口調で話をした。
「別に構わないわよ、私は使う者を疑わない。あなたはきっと、ここで道を探っているのだと信じているわ。退路も進路も、どちらも道よ。」
小屋は依然として静寂に包まれ、返事はない。随分と時間が経った頃、凝光は背後からの声を聞いたーー
「お互い、間違いを犯していたのよ。私たちがしていることに、常人を巻き込むべきではなかった。」
「常人?」
凝光が思い耽ったと同時に、青い光が空中を突き破り、凝光の後ろで止まった。
極めて繊細に制御された矢は瞬く間に珠玉のような水滴となって砕け散り、地面に降り注ぐ前にきらきらと輝く光の破片になった。
凝光が振り返ると、遠くからこちらへ近づく夜蘭の姿があった。彼女は手に弓を持ち、指先からは血が滴り落ちていた。
射手の十指に見える血は、全力を尽くし、日夜研鑽を積んだ証拠。
凝光には分かっていた。夜蘭の性格からして、きっと常人を越える挫折を味わい、常人を越える決断をしたが故に、再び武術の修行に励む道を選んだのだということを。
凝光に応えるかのように、夜蘭は遠くの山へ向かって弓を構えた。
放たれた矢はまるで白虹のように、そして飛翔する雷光のように、空を貫いた。その瞬間、山間の泉がせわしくうねり、まるで見えない力に呼び出されたかのように、いくつもの水の矢となって上空に舞い上がった。
何本もの矢が交差しながら空中で凝集し、夏の夜に降る驟雨のように、一瞬で水の幕を下ろした。
やがて空が晴れた時、そこには蝶も虹もなく、ただ一筋の淡い光の柱が夜蘭の手に降り注いでいた。
凝光によると、その「神の目」はまるでーー「これからは、この常人ではない夜蘭にすべてを任せよ」と告げていたようだったという。

ストーリー

キャラクターストーリー1

璃月港の薬屋には、時折珍しいケガ人が訪れる。
ある時はスメールの傭兵、ある時はフォンテーヌの冒険者、またある時は不注意で水に落ち、岩に頭をぶつけたと言うモンドの釣り人…
これらの人々は年齢も身分も異なり、それぞれ遠く離れた場所から来るが、みな―——痛みを求める少しばかり変わった癖を持っているらしい。
彼らは、あざを押したときの痛みや、傷口に薬草を塗るときの痛みを好む。
中には、強い痛みを伴う治療においても、麻酔の有無を気にしない者までいる。
新人薬剤師の多くは、その負傷者たちの並外れた忍耐力に注意を引かれ、それらの者たちがみな同一人物であるということに気づかない。
そう、上述した人物たちはすべて、変装後の夜蘭なのである。優れた変装の技で、彼女は常に人目を忍ぶ。
体に出来た傷は当然ながら、相次ぐ危険な行動によるものだ。
珍しい仕事をしているが、夜蘭はこの世界にさほど興味がない。
もちろん常人のように食事も睡眠も取るが、彼女が心の底から興味を惹かれるような物事はほとんどないのだ。
立ち回りが上手いのは人をからかうためではないし、書物を広く読むのも、本が好きだからというわけではない。
様々な場所を渡り歩き、数々の国へ行ったことがあるが、遠出や旅そのものに興味はない。
夜蘭からすれば、成し遂げなければならない物事は、趣味とは言えないのだ。
そのせいか時折、どんな暇つぶしをするかさえもサイコロで決めることがある。
彼女はまるで、辛いものに舌が慣れ、普通の食事では舌鼓を打てなくなった辛党のようだ。
「平淡すなわち無頓着、激烈すなわち明晰」
そのような理念のもと、彼女はより厳しい生活を選び、身を潜めつつ各地を旅している。
危険、秘密、そして強烈な達成感…それらと行動を共にして、初めて彼女は自身の存在を深く実感できるのだ。

キャラクターストーリー2

すべての仮面を脱いだ裏にある夜蘭の正体は、天権凝光直属の特別情報官だ。
ただし、単に情報官と称するのは、些か正確さに欠けるかもしれない。なぜならこれはあくまでも彼女の仕事を描写するだけの言葉であり、彼女と天権の関係性までは表せないからだ。
夜蘭は自分が誰かの部下であるとは心底思っていない。彼女と凝光の協力関係は、上下関係と言うよりは交渉…あるいは、ある種の「契約」と言ったほうが正しいだろう。
夜蘭は凝光のために、危険の花に実る情報という果実をもたらすことができる。しかし彼女がその見返りに求めるものは、危険そのものと達成感だけだ。
この協力関係がいかにして結ばれたのか、知る者はいない。
唯一確かなことは、夜蘭の足跡がとっくに璃月の外にまで及んでいるということ。
テイワット大陸にある他の国から、さらには危険に満ちたアビスまで…
謎深き危険な洞窟はすべて、満開の蘭の花園になり得る。
天星が語る場所には、常に幽客が巡遊しているのだ。

キャラクターストーリー3

夜蘭はしばしば層岩巨淵一帯を巡廻し、最深部の暗闇を凝視する。
彼女は古い家系の生まれで、祖先はかつてこの地の巨大な災厄に抗った。
その一戦では無数の民の血が流れ、さらには仙衆夜叉でさえ、その地に骨を埋めたほどだった。苦しい戦いの後、生存していた者はほとんどいない。
二人いた夜蘭の祖先も、一人は亡くなり、生き残ったもう一人も精神に異常をきたしてしまった。このことが、夜蘭の一族に影を落としたのだ。
当時何が起こったのか、夜蘭はずっと知りたがっていた。近づいてはならないと理性が告げていても、体はしきりに引き寄せられていく。
まるで体を流れる血の中で、得体の知れない何かが彼女を巨淵へ誘っているかのようだった。
あるいはいつか、彼女もその暗闇に堕ちるのだろうか?当時祖先の身に纏わりついた災厄は、彼女の身にも降りかかるのだろうか。
おそらく、これが自分の奇怪な性格の原因だろうと夜蘭は思う。血筋に潜む未知なるものが、自分に恐怖を感じさせず、また危険を渇望するのだろう。
彼女はずっとそう考えていた…成年に達し、層岩巨淵の封印が解除されるあの日まで。
そのとき、多くの仲間の助けにより、祖先に何が起こったのかが目の前にはっきりと映し出された。
あれは、分水嶺とも言える瞬間だった――
以前の彼女は、ただ危険に引き寄せられる本能から暗闇に足を踏み入れる獣であった。
彼女が真にその本能の意味を知ったのは、その後だ。
彼女の血に潜み、絶えず彼女を呼び続け、憂慮をもたらしながらも、彼女を導いたもの。
その正体は、五百年もの長きに渡って叫び続けた英雄の血であったのだ。
恐れないのは、その勇気が彼女を強くするが故。危険を渇望するのは、英雄の血が平凡を望まないが故。
いつの日か、彼女は祖先と同じ道を歩むのだろう。
彼女は英雄の末裔であり、彼女もまた、後世の英雄となるのだから。

キャラクターストーリー4

総務司には、特別重視名簿というものがある。
掲載されている人物の数は多くないが、いずれも実力の侮れない強者だ――
比類なき威容を誇る武装船隊の長、優秀で万能な異郷の旅人。
さらには、世を退いてもなお名声高き、仙人の名までが含まれている…
これらの者はみな、たとえその意図がなくとも、簡単に璃月の情勢を変えられる力を持っている。
そのため万が一に備えて、総務司は今でも彼らに目を光らせているのだ。
また、この名簿とは別に、より機密レベルの高い秘密情報名簿というものも存在している。
その名簿に載っている人物こそ、正真正銘璃月に危険をもたらす可能性のある者たちだ。
一体、どのような名前が載っているのだろうか?
ファデュイの執行官?あるいは謎深きアビスの勢力?
あるいは、神の名さえも登録されているのだろうか?
七星以外でこの質問に答えられるのは、おそらく夜蘭だけだろう。なぜなら彼女こそが、この二つの名簿の編集をしている者だからだ。
この仕事の成果は彼女に愉悦感をもたらしてくれる。まるで鴉が毎日キラキラの宝物を巣に運ぶかのように、彼女は日々名簿の完成に向けて動く。
だが、この二つの収集癖には違いがある。鴉は翼をはためかせるだけで収集を達成できるが、夜蘭は収集のコストとして、血と汗を支払わねばならないのだ。
しかし幸い、このことにおいて彼女はまったくコストを気にしていない。どれだけの代価を払おうと、情報の価値とは比べ物にならないと考えているからだ。
いつの日か必ず、役に立つときが来る――璃月が五百年前のように、危険に対して無知なまま、災厄のさなかに堕とされることはもう決してないだろう。
彼女がいる限り、璃月が準備不足に陥ることはない。

キャラクターストーリー5

岩上茶室で賽を振ってはならない。
どうしても遊びたいのなら、知り合いと一緒に行ったほうがいいだろう。
もしも見知らぬ女性から誘いを受けた場合、絶対に無視するように。
これは、界隈の者からの忠告だ。
良い一日に別れを告げたいのでなければ、その恐ろしい女性と勝負してはならない。
その茶室の常勝将軍こそ、夜蘭のことである。岩上茶室の主ーーこれが彼女のもう一つの身分だ。
彼女が異国から戻ってきたとき、ちょうど璃月は渦の魔神がもたらした危機のさなかにあった。そしてその一件が過ぎた後、岩上茶室を占拠していたファデュイがすべて追放されたのだ。
この機に乗じて夜蘭は岩上茶室を引き継ぎ、そこを秘密の事務所に改造した。
理由は二つ。まず、茶室には様々な者が訪れ、格好の情報源となり得るから。もう一つは、たまには一息ついて常連のふりをしながら茶を飲み、賽遊びをするのも悪くないと考えたからだ。
危険の本質は変数にある。夜蘭からすれば、賽を振って遊ぶことも同じだ。
宴席ではジャンケンでさえもが小さな冒険となり、賭け事をすればスリルを味わうことができる。どんな些細な挑戦にも、彼女は決して飽きることがない。
一人の情報屋として、彼女は自身の腕に自信を持っている。相手の目から情報を読み取ることができるし、必要なときには軽く手首を振るだけで、ルール顔負けの目を好きに出せるのだ。
もしも勝負が引き分けになれば、それが意味することは一つーー相手がイカサマをしているということ。
道理を説くべきではない。岩上茶室に道理などなく、あの女は尚更持ち合わせていないのだから。
故におとなしく、「敗北」か「イカサマ」か、一つ選ぶといい。
どちらも選びたくない?ならば初めに戻るだけだ。
ーー岩上茶室で賽を振ってはならない。

幽奇なる腕輪と白き肩掛け(ゆうきなるうでわとしろきかたがけ)

これまでの情報屋人生において、夜蘭には失敗と成功を兼ね備えた、記憶に残すべき特殊な経験がある。
失敗は、その任務において、「幽奇の腕輪」と呼ばれる先祖代々の腕輪を失くしてしまったこと。
腕輪には一族の術法が刻まれており、簡単な情報伝達に使うことができた。しかしこういった小型法器は二つを一組として使う必要があり、一つしか残っていない今ではただの飾りでしかない。
成功は、相手が彼女から何も得られなかったこと。その相手は、決して小者ではなかった。現ファデュイ執行官第九位――「富者」。
「富者」が密かに敷いた貿易ルートは夜蘭の侵入を受け、貨物は足止めされた。その上、最も貴重な品が腕輪の代償と称し夜蘭に奪われてしまった。
――古く、その毛皮から作られたコートに多大な価値を持つ魔獣がいた。しかしそれはかなり希少な品で、市場には存在しなかった。
魔獣の力は強大であり、数百年前に死を迎えたにも関わらず、未だ遺骨や残骸は腐ることなく、毛皮も香り立つようであった。
女皇へ贈るはずだったそれが、夜蘭に横取りされてしまったのだ。
それだけでなく、スネージナヤの人々が陛下のために心を込めて厳選した様式までもが、夜蘭によって否定されてしまった。
彼女は獣の皮を剥ぐと、璃月の苧麻と組み合わせ、新しく袖付きの肩掛けを自作した。
大きいとも小さいとも言える一連の事件は、二文字で表すことができる――得失。
何かを得て、失う。何かを失い、得る。それはまるで、夜蘭の人生のようだ。
しかし彼女はそんなことは気にもせず、ただそれを楽しんでいた。

キャラクター関連

挨拶

●初めまして…:こんにちは、旅人。私のことは夜蘭でいいわ。もしかしたら君は、私の助けを必要とするかもしれない、それに私もちょうど、君の持つ情報に興味があるの。だから、これからは仲良く、お互い助け合いながらやっていきましょう。
●世間話・情報提供:情報提供者から知らせがあったわ。うん、どうやらまた新たな変数が現れたようね。
●世間話・サボり:悪くない目が出たわ、今日も引き続きサボりましょう。調子が良くなってから、仕事を一気に終わらせるわよ。
●世間話・身分:この世を渡り歩くには、より多くの「身分」を持ったほうが便利なの。君にも、いくつか作ってあげようか?
●雨の日…:また雨?まったく、面倒ね…痕跡が雨水で流されると、復元に時間がかかるのよ…
●雷の日…:鳴り響く雷に恐怖を感じるのは、純真無垢な子供か、心にやましい点がある者のどちらかよ。君は、どっちでもないわよね?
●雪の日…:ちょっと寒いわ…上着を肩にかけたままじゃ、しのげそうにないわね。
●晴れの日…:眩しい日の光、うっとうしいわね。こんなんじゃ、居眠りもできないじゃない。
●暴風の日…:不安な情緒が風に乗ってきている…ふむ…
●おはよう…:ふぁあ…ん~、毎朝こんな早く起きてるの?私はやるべき仕事がない時、いつも昼に起きるんだけど。
●こんにちは…:ふぅ、ちょっと眠いわね、少し昼寝でもしましょう…起こさなくていいわよ、仕事の時間になったら自然と目が覚めるから。
●こんばんは…:こんばんは、晩ご飯はもう食べた?何を食べたの?あっ…何となく聞いてみただけだから、気にしないで。
●おやすみ…:さあ、いい子だから、牛乳を飲んで早く寝なさい。ん?もう子供じゃないって?ふふっ…じゃあ、ここに置いておくから、好きにしてちょうだい。私はいつも夜中過ぎに寝るの。もし君に寝言を言う癖があったら、それを記録せずに聞き流すなんてこと約束できないから気をつけてね。
●誕生日…:もしこんな日にまで、「お祝いにかまけて油断していると、誰かにつけ込まれる」なんて警告をしたら、それは無神経というものね。とりあえず、今日は思う存分リラックスしてちょうだい。そうだ、「岩上茶室」で、私が特別に用意した点心を食べてみない?もちろん、甘さはゼロで、ちょっとだけ辛みを加えた一品よ。

自己紹介

●自身について・責任:七星は璃月各地の状況をすべて把握しているけど、時には特殊な手段で集めなきゃならない情報もある。私はその筋のプロだから、そういったことは基本的に私が請け負うのよ。
●自身について・噂:とある説では、岩上茶室の現オーナーは、一夜にして大金持ちになった若い実業家だと言われている。またある説では、総務司には体が弱く、病弱な高等雇員がいて、城外に隠居していると言われている。さらにある説では、青い幽霊に取り憑かれるから、機密地区に近寄ってはならないなんてものも…もちろん、一般人のほとんどは「夜蘭」という名前をまったく聞いたことないわ。だから、そういった類の噂は笑い話だと思って聞き流してちょうだい。
●関係について…:ん?なにその表情?ふふっ、私といる時は、そんなに警戒しなくてもいいのよ。私は、自分の認めた人を謀るようなことはしないから。
●欺きについて…:他人の「肺腑之言」を過度に期待しないこと。滑稽な人は、人の聞きたいことだけを話すからーー他人の視線を軽々しく迎え入れないこと。目は人の気持ちがもっとも伝わりやすい場所だからーーそれに、なんと言っても私たちは友人同士、君が誰かに騙されたら、私まで損した気分になっちゃうでしょ。
●「神の目」について…:重要な情報がある場所には、死に至る殺意が潜んでいるものよ。どんなに頼りになる部下でも、危険を徹底的に排除することはできない。だから、状況を打破できるほどの武力こそ要。幸いにも私は、この道理を悟った数日後に、「神の目」を手に入れた。そうでなければ、ここに立って君と話をしていたのは…おそらく蓬頭垢面の幽霊だったかもね。
●シェアしたいこと・遮音:サンショウウオの宝玉を丁寧に磨くと、耳栓にできるの。遮音性がすごく高くて、耳元で誰かが怒鳴っていても、眠りを妨げられることはないわ…もちろん、今後君がそんなものを使う機会がないことを祈ってるけど。
●シェアしたいこと・幽奇の腕輪:右手の腕輪?ええ、君になら教えてもいいわよ…これには我々一族の術法が込められていて、簡単な情報伝達ができるの。情報の意味は、すべてこの青い光の中に隠されているわ。それにこれは、私にしか読み取れないの。
●シェアしたいこと・追跡:ターゲットを追跡する時、私は相手に心理的なプレッシャーを与えることにしているの。私から逃げようとする中、彼らは慌てふためき、助けを求め、計画を変える…そして、自らのすべてをさらけ出すの。ふふっ…
●興味のあること…:宝盗イタチは知ってる?知能は平凡だけど、人為的に飼い馴らすと、熟練した窃盗の腕を持ちながら、鍵開けまで出来るようになるの。とても良い例よね?だって、方法さえ合っていれば、動物ですら駒として使えるってことだもの。互いに身を削り合う人間も、それと同じことをしていると思わない?
●夜蘭を知る・1:特殊な身分を持つ君なら、きっと「真実」へ繋がる手がかりをいくつも見つけてきてくれる。だから、君に賭けてみようと思ったの…ふふっ、今日はどんな情報を持ってきたのかしら?
●夜蘭を知る・2:情報交換は対等を重んじるもの。だから、君になら過去を少し話しても構わないわ。一族のおかげで、私は千岩軍の斥候から技術を学び、早くからこの業界に入ることができた。情報収集の過程には様々な妨害があるけど、命を落とさない限り、最終的な勝者は、私よ…
●夜蘭を知る・3:手がかりは一つ一つが密接に繋がっているの。それらを頼りにすべての根源に辿り着いてこそ、決着がつく。そのためには、ありとあらゆる業界に監視を張り巡らせないといけない。その過程において、色んな役を演じる必要があるのよ。私のことを「一人千面」なんて呼ぶ人もいるけれど、褒め言葉として受け取っておくわ。
●夜蘭を知る・4:昔、警告されたことがあるわ。無闇に過去のことを調べると、死に至る可能性があるってね…ふふっ…私は立ち止まる気はないし、誰かに言われて止まる気なんてもっとない。たとえ事実を変えられなくても、霧の中で佇むのは嫌。君は?君ならどう選択する?
●夜蘭を知る・5:ところで、君はどんな私にそばにいてほしいと思う?ただの仕事相手?切磋琢磨するライバル?数あるただの知人の一人…それとも…大事な仲間?君の期待や態度次第で、私はどれだろうと「演じられる」し、「なりきる」ことができるわよ。
●趣味:私は暇な時、無作為に一日の過ごし方を決めているの。やり方はとても簡単――リストを作って、サイコロで次にやる事を決めるだけ。この暇つぶしは思わぬ楽しみをもたらしてくれるし、思考の幅も広めてくれるわ…私の本職にも、けっこう役に立つのよ。
●悩み:他の武人と比べると、私の身体能力は高いとは言えない。これは一族の遺伝によるものなの。あまり手を抜くことのできない仕事をする時は、前もって生活リズムを調整して、精力を蓄え、一気に終わらせるわ。それ以外の時間は、なるべくのんびりとしたペースを心がけているの。だから、体力仕事はお断りよ。
●好きな食べ物:風で乾燥させた絶雲の唐辛子と琉璃袋の花蕊を粉にして、雲来の白毫と均等に混ぜる。それを使って淹れた濃厚な茶が醸し出す香りには、酔いしれること間違いなしよ。コーヒーやお酒よりも、私はこういった後味が長続きする飲み物のほうが好きね。
●嫌いな食べ物:甘味には、警戒心を緩めず保つ必要があるわ。あの強烈な満足感…人の意志を弱め、油断させる。たった数回食べたただけで、病みつきになる可能性だってあるの。長期的に甘味を食べている人は、気づかない内に体が鈍くなっているかもしれないわよ。
●突破した感想・起:私の仕事において、戦闘スキルは欠かせないものよ。
●突破した感想・承:嘘を暴き、邪魔なものを排除するためには、必要なタイミングで素早く的確に叩かないとね。
●突破した感想・転:「真実」の追求、言葉では簡単に聞こえるけど、実際は手がかりに長く食らいつく気力と、危地に深く入り込む実力が必要よ。
●突破した感想・結:私はとっくに、君のことを最も重要な情報提供者だと見なしていたわ。もちろん、いつか君が「究極の答え」をもたらしてくれたときに訪れるリスクのため、万全の備えをしておくのも当然のこと。さあ、一緒に答えを手に入れましょう!

関連キャラクター

煙緋:煙緋ね、彼女のことは結構好きよ。かつての交情を抜きにしても、彼女は名のある法律家として、璃月港にある数多の情報の接点となっているわ。彼女のトラブルを解決するたび、貴重な手がかりを得られるの。でも、彼女はちょっと私を敬重しすぎているわね。

→夜蘭さんは総務司の役員だ。以前、粉飾決算にまつわる厄介な案件を解決してくれて、その際に食事に誘ったこともある。ただ…彼女と話す時、どうも心が見透かされているような気がする…ふむ、この先、彼女のことは敵に回さないほうがよさそうだ…

甘雨:あの秘書ね…私は彼女みたいに、休むことなく仕事をするなんてできないわ。しかも、彼女は効率も申し分ないでしょ。どうやら半仙の血統は、彼女にいくつもの利点をもたらしているようね。眠らなくても精力を保つことができるなんて…

→夜蘭さんは、一年のうち七割近くを欠勤しています。ですが、凝光様が彼女にそのような特権を与えているのには、きっと何か理由があるのでしょう。もちろん、これは私が詮索すべきことではありませんので、詳しいことはよく分かりません。でもある日、月海亭へ帰る途中、あの方がたくさんの人と笑いながら、朝食とお茶をいただいているところを見ました。心の底から…少し羨ましいと思いました。

凝光・関係:凝光とは昔からの知り合いで、彼女がまだ七星じゃなかった頃、一緒に仕事をしたことがあるの。彼女が予定より早く七星になれたのは、私のおかげもあるかもしれないわね。ふふっ、まあ、本当のところは誰にも分からないけど。とにかく、今のこの仕事は彼女から薦められたものなの。私にとても合っていて、悪くないわ。

期待:凝光はとても良い仕事仲間よ。でも、普段外を歩いている時は、身分に気をつけないといけないわね。総務司の雇員が七星に会ったら、様付けで挨拶しないといけないから。

→彼女は面白い人よ。私にとって、信頼の置ける人物ね。八面玲瓏で、才能も申し分ない。ふふっ、同じ賢い者同士、あなたたちが良い関係を築けるといいわね。

刻晴:私は、日程をぎっしりと詰めるような人はあまり好きじゃないの。調整に必要な余裕を残していないし、いざ予想外のことが起きたら混乱して、同僚の足を引っ張るでしょ。でも、「玉衡」は違って、いつも整然と仕事をこなしているわ。だから彼女と一緒に仕事すると、とても楽しいの。

→夜蘭の先祖は七星に仕えていたわ。私の祖父も、彼女の家族とは学術的な付き合いがあったの。彼女のことをまとめると、物事をそつなくこなし、堅実で頼れる人ってところかしら。あと、総務司に重要な情報を提供してくれることもあるわ。ただ、夜蘭が一体どこから情報を仕入れているのか、私にも分からないけど。

香菱:香菱はね、人に好かれる料理人で、食材を選ぶ基準も琉璃亭や新月軒にまったく劣らない子よ。私も時折、彼女のところで風乾させた絶雲の唐辛子を買うの。彼女は私の辛い物の食べ方を理解できないようだけど、私も説明する気はないわ。これは、一族の伝統だから。

→夜蘭姉さん?もちろん、その人のことなら覚えてるよ!初めて会った時、あっさりした料理のほうが好きかなぁって思ったんだけど、アタシが今まで会った人の中で、一番辛いものが好きなお客さんだったの!料理の辛さが足りないからって、絶雲の唐辛子をそのまま噛んで食べたんだよ!本当にすごいよね。

:一族の年長者の話によると、「護法夜叉」には最大限の敬意を払うべきだと言われているわ。私の狂った先祖が望舒旅館の前を通った時、珍しく落ち着いていたらしいの。きっと、彼の邪を祓う威圧感の影響ね。でも、いつか私があの「降魔大聖」と肩を並べて戦う日が来ても、私は任務のほうに重きを置くつもりよ。彼の身分に気兼ねして後れを取っちゃいけないもの。

→千岩軍が層岩巨淵に残した痕跡を、そいつは一人で調査したと聞いた。単独で真相を追い求めるとは、腕の立つ人物なのだろう。

タルタリヤ:あのファデュイの執行官?彼の行動は、私に利益をもたらしてくれたわ――彼の与り知らぬところでね。私が「岩上茶室」の前オーナーを徹底的に調査しようとした時、あの執行官のほうが一足早く、強引に借金を取り立てに行っていたの。しかも、前オーナーが偽造した帳簿まで見つけて、牢獄に入れてくれたのよ。そのおかげで、私も円滑に岩上茶室を引き継げて、悪くない拠点を得られたというわけ。

重雲→方士になったばかりの頃、依頼人の家に妖魔を退治しに行ったことがある。その帰り際に、この女性と出くわした。彼女はぼくの名をある冊子に書き、何か怪しいことをしていないか確認していたようだ…でも、それ以降は遭遇していない。
今にして思えば、普段のぼくはいつも静かに坐禅を組んでいるし、誰が見てもつまらないと思っただろう。

行秋:彼のことはもちろん覚えているわ、飛雲商会のお坊ちゃまね。彼の家とは交流も多いの。もしかしたら今後、彼も飛耳長目な人物になるかもしれないわね。

→「千の顔を持つ」という言葉を聞いたことはあるかい?夜蘭さんは、まさにそういった感じがする。あの人がうちを訪れた時、父上と母上は礼をもって接し、向こうもまた礼をもって応えてくれた。まるで親切で落ち着きのあるお姉さんのようだったよ。けど、他のところで彼女を見かけた時、全然印象が違ったんだ。