教官(きょうかん)

教官の花飾り(きょうかんのはなかざり):胸にこの花をつける時は、今日は訓練しないという意味だ。
…士官学校の学生は皆分かっている。あの厳粛な先生はいつも笑わない。
しかし、週に1日か2日だけ、彼は機嫌良さそうに黄色い花を胸につける。
教官の口角が上がる時は、学生も皆ほっとする。
胸につけた黄色の花は休日の象徴であり、帰郷の象徴でもある。
やんちゃな学生と離れて、教官は静寂の墓地を訪れた。
静寂な時間を過ごして、教官はそのよく知る墓碑に静かな敬意を示した。

教官の羽飾り(きょうかんのはねかざり):攻撃の力を和らげる方法を熟知している教官は、羽飾りが風に飛ばされないようにすることができる。
…冷酷な教官も戦争を経験した。残酷な戦場で戦闘のスキルを磨いた。
退屈な訓練の中で、彼が学生に教えたのは攻めと守りだけでなく、
若くして戦場で早死にしないための生存の道でもあった。
教官は正確できちんとした手本を見せ、戦場の先輩へと想いと敬意を表した。
今日という日を見れなかった戦友のお陰で、彼はそんな貴重な経験を手に入れた。

教官の懐中時計(きょうかんのかいちゅうどけい):正しい時間の確認に使えない懐中時計だが、訓練の時間なら測ることができる。
…教官のコレクションの懐中時計である。士官学校が配った時計ではない。
教官がまだ一般兵士の頃、この懐中時計は突撃を象徴するものであった。
懐中時計は勝利と挫折を予告したり、戦死のカウントダウンを始めたりしていた。
今の学生にとって、これは新兵の成長を記念するものである。

教官のティーカップ(きょうかんのてぃーかっぷ):普通のティーカップだが、生徒からするとそれは教官の権力を象徴するものである。
…士官学校の通う学生にとって、「自由訓練」は「自由」からほど遠いものだ。
学生は練兵場で汗をかいているのに、教官は現場監督のようにのんびりしている。
紅茶を淹れ、そこに大量の角砂糖を浮かべるのが、教官の午後の至福のひととき。
こんな風に毎日のひとときを堪能できることこそ、教官の権力の象徴である。

教官の帽子(きょうかんのぼうし):制式化された教官帽子。昇級を拒んだ軍官のみが得られる栄誉。
…「俺には兵隊を指揮する能力がない」
「兵士以外にできる仕事もない」
「だから俺にこの新兵たちの教官をやらせよ」
「戦場で1分でも長く生き延びて欲しいからだ」