勇士の心(ゆうしのこころ)

勇士の勲章(ゆうしのくんしょう):胸元につける素朴な小花、冒険の後に入手した記念品である。
…小さい勇者は夜に乗じて家を出て友と狼の森に入った。
小さい弾弓でイノシシを追い払い、硬い枝で仮想の亡霊と戦った。
光る仙霊に従って森の深くに入り込んで、千年を越えた宝を探した。

「宝」というのはただの黄色い花。

疲れた勇者は寝室に戻って、子供の頃集めた冒険の証を探し出した。
数年前に隠した黄色い花を見て、勇者はびっくりした。花は少しの枯れ気味もなかった。
すべてが花のように、朽ちることがなければいいのに。

勇士の期待(ゆうしのきたい):明るいスズメの羽根。小さな勇気をもたらしてくれる。
…泣き虫の友を慰めるために、小さい勇者は飛鳥の羽を彼にくれた。
冒険の証や宝探しの成果として、友に勇気を与えた。

それから其の一人は「獅子」の名を負って、
騎士を率いる無冠の王になった。
もう一人は「狼」の名を負って、
かつての友、今のリーダーを補佐した。

社会が不安定な時代、その二人は剣とあいくちのように故郷を、お互いを守った。
しかしそれも昔のこと。
無数の物語は災いで消えた。

勇士の毅然(ゆうしのきぜん):古くて小さな砂時計、実用性がない。時の流れのように不思議である。
…暗闇の呪いが湧きこみ、災いが大地に侵入した時、
遠征の騎士は恐怖に立ち向かい、北地の氷川のように故郷を守った。

剣身は光り輝き、敵の黒い血は雨のように降り落ちた。

やがて勇士は故郷に戻った。けれど友はもういない。
変わらないのは、昔にもらった小さな砂時計。

勇士の壮行(ゆうしのそうこう):雑な木製の容器、中には思い出がたくさんある。
…若き勇者は初めての勝利を味わった。
親友たちの歓呼の中、喜びと茫然の盃を交わした。

数年後の災いが訪れる時、彼は騎士を率いて故郷のために戦った。
出征前、彼は副官になった幼馴染と一杯交わした。

「あなたが戻ってこなくても、僕は泣かないぞ」
「今のように、あなたのために一杯飲んでやる。」

勇士の冠(ゆうしのかんむり):粗雑に編まれた草の冠。一部の人にとって、この冠は金の冠のように貴重だろう。
…小さい勇者は森に深入り、抗う旅に出た。
そして彼の友は貴族のチャンピオン騎士役を演じた。

「獅子のように戦場を歩け、千年前のあの人のように」
「剣の詩を紡いで未来の少年少女に捧げよう」

二人はおもちゃの大剣と枝でぶつかり合い、決闘を始めた――
最後に勝利を得たのは抗いの勇者、彼は貴族の冠を手にした。

時が経って、その野花と雑草で編むられた冠は
騎士を指揮する権力よりも貴重なものになった。