八重神子(やえみこ)

CV:佐倉綾音

鳴神大社を取り仕切る大巫女、狐の血統を継ぐ者、「永遠」の眷属であり、その友人。そして、娯楽小説出版社「八重堂」の恐るべき編集長でもある…
多様な肩書きを持つ不思議な宮司だが、人間がその素顔と本心を知ることは永遠にないかもしれない。(公式HPより抜粋)

プロフィール

誕生日:6月27日
所属:鳴神大社
神の目:雷
命ノ星座:仙狐座
名刺:夢狐(ゆめぎつね)…八重神子の狐姿はどこで見られるかって?夢の中かな。
鳴神大社の宮司様であり、「八重堂」の編集長。華やかな見た目の裏には、思いもよらぬ知性と奸智が隠されている。

キャラクター詳細

鳴神大社を司る大巫女であり、白辰の血筋を継ぐ者。「永遠」の眷属であり、その友人…そして、娯楽小説出版社「八重堂」の恐るべき編集長でもある…八重神子の肩書きは、彼女の性情と同じように予測しがたいものだ。
様々な目的から、神子の「本性」を探ろうとする者がいる。その数は、天領奉行府から「八重堂」の入り口まで並ぶほど。しかし、過去に成功した者はほぼいない。
なぜなら、神子は意図的に何かを隠そうとしたことなど、一度もないからだ。千の相と百の変化は、ただの気まぐれに過ぎず、お題のない謎かけなど端から成立しない。
だから、これだけ覚えておけばいい――彼女は、永遠に「英知と美貌を兼ね備えた八重神子様」であることを。

命ノ星座

★野狐供真編(のぎつねきょうまのへん)
★望月之吼噦(もちづきのこんかい)
★七化けの段(しちばけのだん)
★緋櫻誘雷章(ひざくらゆうらいのしょう)
★暴悪嗤笑面(ぼあくししょうのめん)
★大殺生呪禁(だいせっしょうじゅきん)

天賦

★狐霊罪喰い式(これいつみぐいしき)
★野干役呪・殺生櫻(やかんやくじゅ・せっしょうざくら):「枝に封印されている狐霊は、すべて人に害を成す野干へと堕ちたものじゃ。妾のような天狐と比べれば、野干なぞ格下。やつらをこき使おうと、何の問題もない。妾たち狐には位があるが、汝ら人間はこのようなことをしてはならんぞ。ふむ…狐と人間、どちらの位が高いかじゃと?ふふっ…」
★大密法・天狐顕現(だいみっぽう・てんこけんげん):八重はこの瞬間にのみ、天狐の証を見せ、雷霆に命じる。だが、宮司様のしっぽを見た者は、灰すらも残らない。ゆえに、これだけは覚えておく必要がある――八重様にしっぽなどないのだと。
★神籬之御蔭(ひもろぎのおかげ)
★啓蟄之祝詞(けいちつののりと)
★野狐説禅(のぎつねせつぜん)

神の目

「あれは天を揺るがすほどの戦いじゃった。敵は海を切り裂き、空を踏みにじり、天地の色さえも変えてやって来たのじゃ!
宮司様は御幣を手にし、厳かな姿で影向山の頂上へと向かった。
そばにいた巫女たちが秘呪を唱えると、瞬く間に雲が太陽を覆い隠し、雷鳴が轟いた!」
「……」
「戦いは長引き、たとえ宮司様であっても疲弊を隠しきれなかった。その隙を突き、敵は怒涛の一撃を繰り出す!その瞬間、天から一筋の雷光が流星の如く降り注ぎ、宮司様の目の前に落ちた。なんとそれは――光り輝く神の目だったのじゃ!
宮司様は迷うことなくそれを掴み取り、自らの神威を見せ…」
「ストップ、ストップ!それぜったい嘘だろ?」
「ん?なら他の話にしよう。あの日、妾は花見坂で何とも豪快な『ラーメンの大食い対決』をしておった…」
「ラーメンを食べただけで神の目が手に入るかよ!」
「なんじゃ、面白いと思わぬか?汝らが聞きたいのは、こういった『物語』じやろう?」
旅人の好奇心に対し、八重神子は謎めいた笑みを浮かべる。
「それに、たとえ『妾の神の目は箔を付けるための飾り』だと言っても――汝は信じぬじゃろう、童?」

ストーリー

キャラクターストーリー1

その昔、八重堂の編集たちは、編集長様にとある原稿を推薦したことがある。
その作品は秀逸な文章で綴られており、構成も実に巧妙、題材も当時流行りの恋愛喜劇であった。
かようなダイヤの原石ならば、ほんの少し磨いてやり、凝ったイラストを添えてやれば…きっと飛ぶように売れるだろう!と考えたのである。
だが、その予想とは裏腹に、それを読んだ八重神子は喜ぶどころか、深くため息をつき、各担当編集たちを呼び集めた。
担当編集は尻込みしながらこう言った――「八重様…そのような題材を書くよう勧めたのは私です…今もっとも流行っている題材だと思うのですが…」
編集の疑いの眼差しを受けつつ、神子は自らの意見を率直に言った――本来、斬新な観点を持っておった小説が、題材により縛られておる。一言で表すなら「自由度が低い」。
いわゆる売れ行きの良い題材や型を踏襲した作品は…所詮十年ごとに変わる流行に過ぎぬ。
時代の好みに合わせるのは、確かに近道と言えよう。だが、元々時代に飲み込まれぬ素質を持つ作品ならば、その流れに乗る必要もないであろう?
「妾の代わりにその新人作家に伝えるのじゃ。題材や型にこだわる必要はない。今ある『物語』と真剣に向き合えばよい、とな。」
作品を投稿した作者は、何かを悟ったかのように筆を走らせ、考えをまとめるため引きこもった。その数ヶ月後、神子と担当編集のもとに、「斬新」で「新たな」原稿が届いた。
それを読んだ担当編集は唖然とし、これまであらゆるものを受け入れてきた八重神子も眉をひそめた――
「ふむ…どうしたものかのう…これは確かにあまりよくない。」
「そうですよ!題材にこだわる必要はないと言っても、『雷電将軍に転生』なんてのはあまりにも度が過ぎています!」
「題材?それなら問題はないじゃろう。ただ――こやつの筆名があまりにも平凡で、どう考えてもこの小説に釣り合わぬのじゃ。」
「筆名の話でしたか…えっと…八重様がいいのでしたら、私も言うことはありません。」
程なくして、この小説の作者は「堪解由小路健三郎」という、編集長から提案されたとても長い筆名で小説界に現れることになる。
後日、編集長のひらめきで、「八重宮司に転生したら」という題材で原稿の募集が始まったが、それはまた別のお話。

キャラクターストーリー2

宮司という身分でもっとも不便に感じる点は、神社の祭りが開催されるたびに正装で参加し、社殿に座さなければならないことだ。
煌めく花火が夜空に打ち上がる中、神社は人で溢れかえる。それなのに、自分は厳粛な微笑みを絶やさず、神社にずっと鎮座していなければならない…このような不幸は、油揚げがこの世から完全に消え去ることよりも恐ろしい。
雷神の眷属は寿命が長く、瞬く間に百年が過ぎる。長い年月において、退屈こそがもっとも抗いがたい敵なのだ。もし、朽ちた木のように一日中座って過ごすのに慣れてしまえば、世の趣と機会を見つけるのが得意な者が、この世界から一人消えることになるだろう。
だから、たまには自分のために楽しむのも、極めて合理的で必要なこと。
たとえ宮司の権利を少し利用したとしても、それは致し方なきこと!
祭りの夜、社奉行から特別に送られた長野原特製花火を見ながら、八重宮司は満足げに頷いた。
その夜の式典はこれまでと同じように、洗練された礼儀作法と厳格な規則のもと執り行われた。
夜闇の中、正座を維持する「宮司様」の見目麗しい姿に、多くの巫女たちが羨望の眼差しを向ける。
流れ星の如く美しい光の雨の中、静かに正座し、祭りに訪れる人々を眺める。
花火の音にかき消されながらも、りんご飴を噛むその口からぽつりと声が漏れた。
「妾が宮司の推薦を受けた時は、祭りを遠目に見ることしかできなくなるなど…聞かされておらんかったのじゃが。」

キャラクターストーリー3

趣味の追求と娯楽の探求、神子が日々を送る上での原則である。
人間を研究するのが好きな彼女にとって、「立場」と「美徳」は、「面白い」の遥か後方にある評価基準に過ぎない。信仰の異なる大巫女であろうと、敵対陣営の大将であろうと、神子の興味を惹く対象となり得る。
…しかし、時にこの気持ちが、些細な問題を招くことがある。
神社でもっとも神子の興味を惹くのが、真面目な部下や憧憬の念を抱いている後輩などではなく、鹿野奈々という巫女だ。
神子と小説の趣味を共にする同志――鹿野奈々は、早柚の世話に日夜頭を抱えている。
屋内で横になった神子が時折窓をちらりと見ると、逃げる早柚の姿が見え、続いて怒りに満ちた慌ただしい足音が聞こえてくることがある。
その関係はまるで稲妻と雷雨のようで、神子を楽しませてくれるのだ。時には騒ぎをより長引かせるために、わざと間違った方向を伝えたこともあった。
ある時、昼寝する時間を確保してくれた神子に早柚は礼を言い、午後の日差しが一番気持ちよく当たるところを教えてくれた。
それに触発されてか、とある晴れた日、神子は稲妻の一般的な女性に姿を変え、山を下りて一日を過ごした。
町にある「秋沙銭湯」、花見坂の「木南料亭」、通りにある「小倉屋」…どれも欠かさず、すべてを満喫した。
夕方になると、旅先で聞いた動物の失踪事件の依頼をするため、「万端珊瑚探偵所」へ向かった。
「シクシク、飼い主が大泣きして可哀想な思いをしておる。どうか探偵殿、何とかしてやってはくれぬか。」
それを伝えた後、彼女は再び町を歩いた。その顔には、いつしか笑みが浮かんでいた。
このような身分で稲妻の日常生活に関われるとは、実に愉快なこと。
通りがかった九条裟羅から、疑いの眼差しを向けられなければもっとよかっただろう。
ただ「秋沙銭湯」の店主には申し訳ないことをした。異国情緒あふれる温泉は実に良いものであったが、うっかり狐の毛を湯船に少し残してきてしまった。

キャラクターストーリー4

遥か昔、人間が妖怪たちの物語を話す時、まだ「昔々」という言葉をつける必要がなかった時代。
大空には天狗、荒野には鬼衆、小道には妖狸、俗世には仙狐がいた。
鳴神という大きな旗印のもと、妖の衆は想像を絶するような力をもってして焼畑農業に手を貸し、苦境の時代を生きる人間たちを助けた。
山に避難し、海辺に城を築いたのが稲妻の始まりである。
妖の中でも「白辰狐王一脈」はもっとも尊く、大妖怪を代々輩出することから、俗世でも無数の伝説を残していた。
稀に妖たちが集まって酒を酌み交わすことがあるが、その時には自分たちの新たな伝説を自慢げに話すのがお決まりとなっていた。
酒を飲みながら話す言葉は、どうしても事実と異なる部分が出てくる。だが、そんなことを気にする者などいない。ただ楽しく話を聞ければいいのだ。時を経て、いつしかそれは「百物語大会」となった。
当時、盃を高く掲げながら談笑し、妖たちの目を引き付けたのが有楽斎だ。宴を催した狐斎宮も、笑みを浮かべずにはいられないほどのものであった。まだ幼い狐の姿であった神子は、いつも狐斎宮の肩に乗り、有楽斎が話す物語の矛盾を指摘していた。
無論、有楽斎も頭の回る知恵者である、髭を触りながら話の修正をした。
だが、それでも神子は新たな矛盾点を見つける。斎宮様が笑いながら、「皆、次のくだりが聞きたい頃よ」と止めるまで、そのやり取りは繰り返された。
酒が三度回ってくる頃には物語も数巡し、どの妖もまともに言葉を紡げなくなるほど酔っぱらっていた。
そうなると妖たちは語るのをやめて、妖力を用いて空へ駆け上がると、誰が一番上手く空と月を覆い隠せるか競い合うのだ。
それは――「無月の夜、百鬼夜行」と呼ばれた。
あれから五百年の時が経ち、当時の小狐も今や天地を揺るがすほどの大妖怪となった。
かつて共に酒を酌み交わした妖たちは、戦争と歴史の中に消え、生き残った血筋も日に日に薄れてゆく。
そうして「百鬼夜行」は、ついに「昔々」の伝説となったのだ。

キャラクターストーリー5

稲妻の刀剣は古来より世に知られており、「雷電五箇伝」は国にとっても重要なものである。
だが、わずか数年のうちに五つの伝承はそのほとんどが失われた。
無数の有力者がその陰謀に巻き込まれ、関与した一族は皆、責任を負って追放された。
この一件により社奉行の神里家でさえ、部下の監督不行き届きで責任を問われることとなった。
だが、将軍が最終的な判断を下す前に、長いこと政事に関与してこなかった宮司様が突如将軍に進言した。これにより、嵐の中にいた神里家は救われたのである。
神里家は大きな被害を受けたものの、免職だけは避けることができた。
それから数年に渡り、巷では宮司のその行動について、様々な憶測が飛び交った――
ある説では、社奉行は鳴神大社と親密な関係にあり、此度の行動は自らに忠誠な代弁者を増やすためだと言われた。
――しかし、鳴神大社は元より一派を築いており、ましてや日常的に宮司が政事に関与することはない。社奉行を助けても見返りは少なく、賢明な選択とは言えないだろう。
また、ある説ではこう言われている。宮司も当然不審に思ったが、巻き込まれた者があまりにも多かったのが原因ではないかと。社奉行にまで影響が及べば、稲妻の情勢が揺らいでしまうと考えたのだろう。
――ぱっと見、理にかなった憶測のようにも思えるが、よく考えればそうではないことが分かる。権力を持った一族の栄枯盛衰は世の常。たとえ神里家が力を失ったとしても、新たな主が社奉行に就く、ただそれだけのことだ。
その他にも、嵐が収まった後に神子が当時の神里家当主と密談していたという話がある。
――しかし、老齢で深い傷を負った神里家当主など、まさに風前の灯火。大局を左右するほどの力が、どこにあると言うのだろうか。
そうして、それら憶測が真相を暴くことはなかった。
だが、人々は知らない。当時、神子から送られた言伝が、さながら家訓の如く神里家に残されていることを。
「神里家が此度の件において生き残れたのは、将軍の寛大さゆえのこと。これから先、決して将軍の恩義を忘れるでない。」
この言葉は因縁の種となり、社奉行の未来を位置づけることとなった。
この先、稲妻に嵐が訪れたとしても、社奉行神里家は受けた恩義を忘れず、「将軍」の永遠へ至る道を守るだろう。
それは盤上において、宮司が打った悔いなき一手であった。

「鎮火の儀」(「ちんかのぎ」)

「鎮火の儀」はかつて、天領奉行が中心となって鳴神大社で行われていたものである。これから先の一年の加護と火難除けを祈願するための定例行事だ。稲妻の家屋は多くが木造であるため、些細な火の不始末が不幸を招くことになる。
天領奉行は将軍の命により火消し隊を設立し、鳴神大社に「鎮火の儀」を執り行ってもらって、民衆の憂いを取り除いた。
その数百年後、火の用心は次第と人々の心に根付き、大火は起こらなくなった。しかし、それでも年に一度行われる「鎮火の儀」は残り続けた。
巫女たちが舞を踊り、民衆がモラを納める…奉納されたモラは、天領奉行が四、神社が六の割合で分配された。
八重神子が「八重堂」の設立を考えていた頃のこと、資金不足に悩まされていたことがある。それを解決すべく、神社で行われている行事を見直した結果、古くから伝わる「鎮火の儀」に目を付けた。
「せっせと働いておるのは鳴神大社じやというのに、なにゆえ天領奉行にも分け前をやる必要があるんじゃ?
それに、集まった金銭もすべて九条のじじいの懐に入り、火消し隊は年末の特別給与すら出ないではないか。」
こうして、その年の「鎮火の儀」は巫女の舞ではなく、活気あふれる娯楽小説の募集大会に変更された。
その際、大会の運営や作品の出版を担う「八重堂」も、「鎮火の儀」の経費で無事設立されている。
出版した本の収入は、当然ながらすべて神社の懐に入った。
「火災が頻繁に起こらなくなった今でも、奉納金は年々増えておる。此度の改変は民の財を無駄にするのを防ぎ、生活に支障をきたさないようにするためのものじゃ。
それに起源を遡れば、詩文や書画はもとより娯楽の一種――よもや汝ら、妾より祭礼に詳しいと言うつもりではあるまいな?」
突如訪ねてきた九条孝行を前に、八重神子はそう言い放った。
天領奉行様はやむを得ず部下と共に、暗い面持ちで影向山を下りたという。しかし、彼らは知らない――自分たちが神社から出た次の瞬間、背後で真剣な顔をしていたはずの神子様が、注釈の途中まで入った原稿を奉納箱から取り出したことを。

キャラクター関連

挨拶

●初めまして…:妾は鳴神大社の宮司。此度参ったのは、大社の勅令により汝の一挙一動を見定めるためじゃ…ふふ、そう緊張するでない、ただの建前に過ぎぬ。正当な理由で休暇をとるには、これが必要なんじゃ。ほれ、早く妾に面白いことを見せてくれぬか。
●世間話・小説の題材:最近の八重堂の小説は、異世界転生ものが多すぎる。ふん、自分たちの世界がそんなにも不満なのじゃろうか。
●世間話・物語:大半の者の一生は、紙に書いても数行にしかならず、そのほとんどが退屈な物語なんじゃ。
●世間話・塵世:妾にとって、不変も一種の美。はぁ…じゃが、俗世とはいつまでも変わらぬまま続くものではない…
●雨の日…:雨が降ると、全身の毛髪がびしょ濡れになってしまう…
●雷の日…:みな雷を恐れているようじゃが、妾が雷の音を聞いて覚えるのは親近感のみじゃ。
●雪の日…:まだ霊智が芽生えておらぬ小狐は、餌を求めて雪の中に飛び込むことがままある…ん?妾がそうしているところを見たい…じゃと?ふっ、たわけ。
●おはよう…:おはよう。なんじゃその元気のない姿は、よう眠れんかったのか?ふむ…よもや昨晩、悪事を働きにでも行っておったのではなかろうのう?
●こんにちは…:ふむ…困ったのう。昼餉は何を食べるとするか…?近頃はずっと油揚げを食してきたゆえ、たまにはさっぱりとしたものが良いのじゃが。そういえば、社奉行家の娘に久しく会っておらぬ。あそこへ行ってあやつの作った菓子でもいただくとしよう。
●こんばんは…:今宵の月はなんと明るいことか。このまま何もせぬのは実に惜しい。妾と一緒に月の下を歩かぬか?嫌とは言わせぬぞ。
●おやすみ…:そろそろ床に就く時間じゃな。ふふっ、雷鳴も聞こえぬ夜では、ぐっすりと眠ることもできぬ。
●誕生日…:今日は汝の誕生日じゃったか…
「御歳の祝礼を今ここに迎えん。徒桜の命において、汝が求めんとするもの、汝が願わんとするもの、明神のもと正心をもって、その加護を汝に与えん」
うむ、こんなところか。これからも、望むものを手に入れ、万事が順調にいく良き一年になることを祈っておるぞ。

自己紹介

●自身について・永遠:永遠とは、己の持っているものを失わぬこと。じゃが別の視点から言えば、さらなる可能性をあきらめることと同じじゃ。この世とは常にそうであり、すべてを手に入れることなど誰にもかなわぬ。
●自身について・趣味:人間は実に面白い。じゃからこそ、妾は好きなんじゃ。たとえ須臾に過ぎぬ命であっても、眩い光を放つことができる。中には、長い時を経ようと淀むことなく光を持つ者もおる。そのような人生を読むのは、妾にとって大層楽しみなことなんじゃ。
●作家について…:つまらぬ、この本もあの本も、実につまらぬ。はぁ…こやつらは一体どのようにして作家になったのじゃ。そうじや、汝の経歴を書き下ろし、八重堂に送ってみてはどうじゃ?きっと妾が楽し…きっとみなに大受けするじゃろう。
●摩耗について…:己を閉じ込めれば、「摩耗」を早めてしまうやもしれぬ。自分一人しかおらぬ世界で、その目に誰も映さぬのは実に恐ろしいことじゃ…じゃから、汝と妾が一緒にいる時は、互いをその眼に映し合うのを忘れてはならぬぞ。
●「神の目」について…:ん?…妾の「神の目」の付け方が好きじゃと?見る目があるではないか。ほれ…触ってみるか?
●シェアしたいこと…:油を沸点の八割まで加熱し、豆腐を鍋に沿って入れる。弱火に切り替え、黄金色になるまで揚げてから取り出せば、熱々の油揚げの完成じゃ。この世で、これに勝るものは存在せぬ。ほれ、作り方を教えてやったんじゃ、何を呆けておる?
●興味のあること…:鳴神大社にいると毎日のように視界に入るゆえ、時に目障りに思うこともある。じゃが、あの神櫻はすでに、妾の運命と深く関わっておるのじゃ。
●八重神子を知る・1:妾のことがもっと知りたいと?断りはせぬが、相互利益を重んじるのが世の常というもの。妾を知りたいのなら、汝のことと交換するのはどうじゃ?
●八重神子を知る・2:狐斎宮様は遠出をすると言い、それっきり帰ってこんかった。はぁ…当時の妾は、鳴神大社の面倒事なんぞ引き受けるつもりはなかったのじゃが、宮司になれば好きなだけ油揚げが食べられると言われてのう…なんとも酷い理由じゃ。…うるさくて、面倒な女じゃった…
●八重神子を知る・3:八重堂を立ち上げた当初の動機は、面白い小説を読むためじゃった。じゃが次第に、小説家の疲弊していく姿を見るのが楽しくなってのう…あやつらが締め切りを先延ばしにしようと言ってくるときの言い訳は、汝では到底思いつかぬものじゃろうな。何よりそれは、あやつらが書く小説よりも遥かに面白いものなんじゃ。
●八重神子を知る・4:いずれにせよ、魔神もいつかは消滅する時が来る。かの者らの物語が時と共にこの世界から消え、二度と人々の記憶に残らないとしたら、それはとても残念なことじゃ。その者たちの物語を書く資格のある者は、優れた思考と執筆力を兼ね備えている必要がある…この世にそのような者がおらぬのならば、育てれば良い…それら物語を書くことのできる作家をな。
●八重神子を知る・5:そういえば、妾は数々の小説を読んできたが、自分で書いたことは一度もない。小説を書くのは、やはり手間の掛かることじゃからのう。じゃが、汝の旅が終わり、誰かに物語の記録をしてもらいたいと思った時…もし妾の手が空いておったら…
●趣味:妾がもっとも好きなのは他人の物語を読むこと。次に好きなのは他人の困った顔を見ることじゃ。この二つが合わされば、ふふっ、相まってさらに面白いぞ。
●悩み:安定した日々を送るのは実につまらぬ…
●好きな食べ物:「きつねうどん」を聞いたことはあるか?実はただ油揚げをのせただけのうどんなのじゃが…油揚げにうどん、どうじゃ、聞いただけで美味しそうじゃろう?
●嫌いな食べ物:まったくもって、漬物だけは受け入れられぬ。グッピーにしてもキビヤックにしても、酷い臭いじゃ。妾は鳴神大社の宮司として、そのような不潔で不浄なるものを飲み込むことは決してできぬ。
●突破した感想・起:巫女修行の階位では、一連の修行を終えた後に祝詞を正確に暗唱できれば、「直階」を得られる。人間にとっては簡単じゃが、狐族にとってはもっとも困難といえる部分じゃ…なにせ、狐じゃからのう。
●突破した感想・承:宮司代理になる、つまり「正階」の修行はとても過酷なものじゃ。数々の試練を乗り越え、戒律を守らねばならぬ。この修行において、秘訣はただ一つのみ。夜こっそり盗み食いをする時、バレないようにすることじゃ。
●突破した感想・転:「明階」にまで上がるには、世を見定めることのできる天地明察の境地に達する必要がある。この境地に達すれば、一般的には神の目が授与され、普通の狐族を遥かに超える寿命を得ることとなる。
●突破した感想・結:鳴神大社の「浄階」は、昔から鳴神大社の宮司のみが持つものじゃ。「浄階」は栄誉称号に似たようなもので、実力とは関係がない。じゃが、実力においても最強の妾が「浄階」を名乗るのは、そう間違ってはおらぬことじゃろう。

関連キャラクター

荒瀧一斗:あやつか、鬼族の妙な若造じゃろ。ふふっ、九条家に迷惑をかけておるらしいな。天領奉行の者は風紀を乱すという理由から、あやつが町に書いた伝言を消そうとしておるが、妾がそれを残すよう頼んだんじゃ。ふふっ、あんなに面白い小鬼、近頃は滅多に見られぬ。

→あのきつねラーメンの勝負は俺様が勝った!たとえ油揚げが入ってても、この俺様に勝てると思うなよ!まあ、あの後…一ヶ月ぐらい寝込んじまったが、勝者の栄誉は守れた!だがあいつはどうだ、三十二杯のラーメン代を支払うという屈辱を背負うはめになった!ハーッハッハッハッハッ!

神里綾華:社奉行家の小娘のことなら、妾は大好きじゃぞ。何事においても理路整然としておるからのう。じゃが、社奉行はいつも損な役回りを演じておる、かわいそうに。あやつが神里家の者でなかったら、とうに八重堂に引き抜いておったところじゃ。

→私と八重宮司様はかねてより協力関係を続けてきました。お祭りの開催は非常に手間がかかる上、収益もそれほど良いものではございません。しかし八重宮司様が仕切られた事業は、優雅さを保ちながら収益化にも成功されています。

神里綾人:社奉行家の若造か。幼い頃から我が道を行くような性格じゃった。表向きはいつもニコニコしておったが、内心では何を企んでおるのか分からぬ。癪に障るやつじゃ…ふんっ、妾はやつとは違う、決して同族嫌悪などではないぞ。

→神里家は宮司様にお世話になっていますが、どうやらあの方は私が気に食わないようですね。私を「若造」などと呼ぶところを、あなたも聞いたことがあるのではないですか?
…ただ、たまに仕事の関係でお会いしたときは、互いに自らの考えを持ちつつも、うまく連携が取れるんです。あの感覚は悪くありません。頭の切れる方と仕事をすると、とても効率がいい。それに…たとえ嫌われていたとしても、私がいなければ彼女の「奇想天外な名案」を実現することは不可能。宮司様も、その事実は認めざるを得ないでしょう。

甘雨:そういえば、甘雨の姉君には久しく会っておらぬな。稲妻がまだ鎖国をしていなかった頃、璃月と稲妻の間の事務はすべて妾と姉君が受け持っておったんじゃ。姉君は本当に頼りになるお方じゃ。今度璃月へ行く機会があったら、また新鮮なウミレイシを姉君に持っていくとしよう。

★綺良々:近頃は、人間社会に興味を持つ妖怪がますます多くなってきておる。これは良いことなんじゃろうか…ん?妾の見解とな?ふむ、もちろん、皆が楽しければよいと思っておるぞ。それに、自腹で飯を奢ってくれる愛い後輩を嫌うやつなど、おらんじゃろ?

→神子様は稲妻に名を馳せる大妖怪なんだ。わたしみたいに新しく生まれた妖怪が、神子様に敬意を払うのは当然のことだよ。でも、妖狐様があんなに優しいとは思わなかったなぁ。妖狐様自らわたしに会いに来てくれた上、役に立つ知識をいっぱい教えてくれたんだよ。例えば、人間社会での礼儀とか、人と付き合う方法とか、油揚げの揚げ方とか…えっ?最後のそれは知らなくてもいいって?

久岐忍:幸の妹であるこの女子はとても個性的だと聞いた。巫女の家系でありながら、神社から離れ、様々な技術を学んだらしい。それだけに留まらず、璃月にも留学したことがあるそうじゃ。そして最後は、荒瀧派へと加わった…こんなにも面白い女子がおるなら、幸に紹介してもらわねばならぬのう。それに、幸なら妾の頼みを断ることはないじゃろう。

→あの鳴神大社の宮司様でさえ、副業をやることで退屈をしのぐ。巫女がどれほど退屈な仕事なのか、これで分かっただろう。だから私は、また巫女に戻るような真似は絶対にしない。

九条裟羅:あの頑固頭か…頭の柔軟さでは、あやつの天狗親父と比べて遥かに劣っておる…まあ、なんと言うか、頑固者にも頑固者の良さはあるが…願わくば、神社で妾を呼び止め、影のことをしつこく聞いてくるのはやめてほしいものじや。

→八重宮司様の行動は私に誤解を生ませることが多かった…しかし、彼女は鳴神大社の大巫女であるため、将軍様の信頼や黙認を受けており、私も自ずと彼女に敬意を表している。が…もしいつか彼女が将軍様の意志に背くようなことをしようものなら、その時は容赦しない。

ゴロー:ゴローのしっぽは色艶もとても綺麗じゃが…やはり妾の毛並みのほうが柔らかいな。ふふん…

→あの女のことは…言わないでくれ。何か必要なら喜んで手伝う、雑用仕事もすべてこなそう…うぅ…俺の心身の健康のためだと思って、話題を変えてくれないか?

早柚:あの背の小さな子は、隠れるのが得意なようじゃな。探すのが大変で小説を読む時間が減ったと、鹿野奈々がしょっちゅう愚痴をこぼしておった。もしや誰かが、密かに早袖を手助けしておるのやもしれぬな…?

→彼女はいつも拙の頭を撫でたがる。対して拙は手を噛む勇気も、反抗する勇気もない。断れば大惨事になりかねないと感じる。しかし、このまま撫でられ続けたら、本当に背が伸びなくなるのでは?ど…どうすればいいのだ…

珊瑚宮心海:今の巫女は、みなかわゆい容姿をしておる。この娘が太平神楽を踊ったら一体どうなることか、群魚すら一緒に踊り回るやもしれぬな。もし妾を「神子お姉さま」と呼んでくれたならば、ふふ…妾は喜んで心得を教えてやるつもりじゃぞ。

→八重宮司については、色々なことをお聞きしています。正直に言って、彼女はとても優秀な巫女です。少なくとも「巫女」としての仕事は、非の打ち所がないと言えるでしょう。彼女は八重堂の娯楽小説の出版も担当されているそうで、本当…につかみどころのない方ですね…

★鹿野院平蔵→そういえば、宮司様の八重堂からは、推理小説も出版されてるんだよね?いつか僕を推薦してくれないかな?今の時代、名探偵になるには実力も勿論だけど、宣伝にも遅れを取っちゃいけない。あっいやいや、別にそれ以上のことは考えてないよ。

国崩(スカラマシュ):妾は当時からあれを厄介なやつだと思っておった。じゃがあやつは、自身の創造したものじゃからと手を出したくないと言いおった。こうなると分かっておれば、あやつに黙って処分しておいたというのに。今はもう…ふんっ、まったく厄介な面倒事じゃ。

→心にもないことぺらぺら喋る妖怪さ。神の寵愛を受けるために、人間に関心があるふりをしてるんだろう。でも実際のところ、ただ面白いことが好きなだけなんじゃない?

トーマ→神子様?ど、どうしていきなり彼女のことを?普段お嬢から伝言を頼まれる時、一番行きたくないのが鳴神大社なんだ。いや、その…決して神子様のオーラが怖いんじゃなくて、えっと…その…畏敬の念!…畏敬の念だから!アハハハ…

宵宮:長野原の花火か、妾にとって一年のうちの数少ない楽しみでもある。聞いたところによると、先日、天領奉行で騒ぎを起こし、敷地内で花火を放ったそうじゃ。ふふっ、九条家の者はきっと怒りで顔を引きつらせておったじゃろうな。それをこの目で見ることができなかったのは実に残念じゃ。

→いつやったか神社の祭りで、宮司様のために手持ち花火を用意してくれって綾華ちゃんに頼まれたことがあったんや…せやけど、宮司様って祭りに出席するさかい、神社の境内に座りっきりやろ?宮司様がどうやって花火で遊ぶのか気になって、祭り中ずっと観察しとったんや。ほなら綾華ちゃんがうちのとこにきて、「宮司様、とても満足されておりました」って言うて…えっ?もう花火で遊んだん?ってなって…もしかして、うちが見とったのは宮司様やあらへんかったのかな?

雷電将軍:本当は外に出たいのに、いつまでも己を一心浄土の中に閉じ込めるなど、まるで自虐そのもの…まあ、ある意味それが、あやつのかわいいらしいところでもあるのじゃがな。

→あの人ですか。最初は油揚げに誘惑されるような方でしたが、まさかこんなにも策略に秀でるようになるなんて、実に喜ばしいことです。しかし私のためとはいえ、彼女に謀られたのはやはり少し気に入りません。今度会った時、きっと笑われてしまいます…であれば先手必勝、先に彼女に一太刀浴びせるとしましょう。どうせ彼女なら躱せますし。

関連NPC

稲城蛍美:巫女…①玄冬林檎について…→……
→ふふ、ご心配なく。実は神社にいる人たちは、多かれ少なかれ気づいていました。
何が起きたかは知りませんが、八重様が彼女を神社に配属させてる限り、信頼できる方であるのは間違いありません。
②大祓について…
→以前は八重様から神櫻大祓についての準備を任されていました。
しかしあの後、状況が変わったため、準備を続ける必要がなくなりました。代わりに「追憶のレンズ」を金髪の異郷人に渡してほしいと言われたのです。
その時に八重様が言っていた「状況が変わった」は、あなたのことを指していたのですね…
あなたにはとても感謝しています。どう成し遂げたのかはわかりませんが、神櫻を癒すことは決して簡単な事ではありません。鳴神大社の巫女としてお礼を申し上げます。
④「鳴神大社」について…
→「鳴神大社」は稲妻の信仰と祭祀の場であり、全てのことを雷神様の意志に則って行っています。
八重神子様は「鳴神大社」の大巫女で、神社の全てを管理しています。
しかし八重様は事務仕事で忙しく、八重堂の方も仕切っているので、あの方が不在の時は、私が一部の仕事を代理で行うのです。
もし神社で何か手助けが必要な場合は、私におっしゃってください。

鹿野奈々:巫女…(早柚デートイベント前)①小さな子?
→もしこの近くでその一匹…あっいえ、一人の女の子を見かけたら、私にお伝えください。
名前は早柚と言います。社奉行神里家の小さな忍者です。とても可愛いですよ。
しかし彼女は力仕事が好きではないので、いつもサボろうとして隠れて寝ているのです。そうすれば背が高くなると言って…
早柚は忍術が得意で、いつもいなくなるんです。まったく、平蔵よりも頭を悩まされます…
早く彼女が見つかっていれば、八重様に新しい小説をもらいに行く時間があったのですが…

(早柚デートイベント後)①早柚は相変わらずサボってるの?
→はい。彼女は力仕事が好きではないので、いつもサボろうとして隠れて寝ているのです。そうすれば背が高くなると言って…
早柚は忍術が得意で、いつもいなくなるんです。まったく、平蔵よりも頭を悩まされます…
早く彼女が見つかっていれば、八重様に新しい小説をもらいに行く時間があったのですが…
②新しい小説?
→はい!それだけではありません。まだ未出版の作品の原稿などもありますよ。
稲妻の「八重堂」出版社を耳にしたことはありますよね。その出版社の経営者は、私たちの大巫女、八重宮司様なんですよ。
八重様は、私が小説に興味あることを知って時から、いつも「八重堂」の小説の原稿を見せてくれるのです。
ここだけの話ですが、八重様は「八重堂」の経営者でいる時は、宮司の時とは全く違って、とても親切になるんですよ。新しい小説の感想も聞いてくれるんです。
えへへ、私の話したことがあなたのお役に立てたらいいのですが…

黒田:「八重堂」編集…②「八重堂」について…
→「八重堂」は鳴神大社の宮司、八重神子様が設立した出版社です。主に「ライトノベル」、通称「娯楽小説」を出版しています。
ご覧の通り、一階にて当社の書籍を販売しております。
お客様は外国人ですね?それならば稲妻の若者に最も多く読まれている娯楽小説がおすすめですよ。
今は海外の作者さんも娯楽小説の書き方を真似て、うちに投稿してくれるようになりました。
よく他の島の娯楽小説ファンが、遥々海を渡ってまで弊社に本を買いに来たります…はは、娯楽小説は本当に人気があるんですね。

●左右加

菜々子:①最近調子はどう?
→あなたと八重宮司のおかげで、師匠はようやく元に戻りました。彼は今、毎日のように私に武術や剣術の指導をしてくれているので、生活にも希望を持てました。
私たち弟子は、「剣術を磨き、天下一になる」目標のために努力しないといけません。

平塚:①あなたは…→①仕事って何をするの?
→仕事の内容は…次の月に出る書籍の内容と、売り上げを記録することね。
楽な仕事だと思わないでよ。色んなデータをまとめて、「八重堂」の出版計画に対して、経営的な意見を出さないといけないの…
でもオーナーはそうとは思ってないみたい。収益がどうなろうと、自分のやりたいようにやる…
まさにそれが、宮司様としての余裕なの…

古田:①あなたは…
→今はもう年を取りましたが、昔は宮司様のそばに仕えたことがあるんですよ…
私と旧友の中西は、前々代奉行様がいた時から神里家に仕えてきました。
年を取ってからは、手足がまともに動かなくなってしまい、引退しました。
…お嬢様が私のことを気にかけてくれたおかげで、今でもこの屋敷で使用人として働けています。
春ちゃんもトーマさんを見習ってお家管理のコツを学んでくれれば、私も安心出来るんですがね…

麻紀:巫女…②大祓について…
→あっ…あなたが八重様が言ってた、神櫻大祓を成し遂げた旅人さんですね。
本当にありがとうございます。大祓の後、神櫻は以前にも増して生い茂っています。
神櫻の根はあちこちとつながり、全稲妻を庇護しています。あなたもこの土地を歩む時は、必ず加護を受けられるでしょう。

:巫女…こんにちは、何か助けは必要でしょうか?何でも言ってください。
八重様に認めてもらうために、一生懸命巫女の責務を全うするつもりです。
①巫女の責務について…
→巫女の責務ですか…それはもちろん、八重様の命令に従うことです!
八重様が下した命令はすべて、全力で全うします…以前のたたら砂のように、八重様の信頼を無にするわけにはいきません!
八重様に認められる…
→たたら砂での任務を終えた後、八重様から表彰していただいたんです。今まで生きてきて一番嬉しかったことです。
ですので、これからも精一杯八重様のために尽くし、鹿野奈々よりも八重様に信頼される巫女になります!
はぁ、どうして八重様はあの鹿野奈々とあれほど仲がいいのでしょうか。よく彼女とこそこそ話をしたり…
私の方が彼女よりも上手くやれていると思うので…いつかきっと!
③お邪魔しました、さようなら。
→あっ、必要ありませんでしたか…
わかりました。私は引き続きここで八重様の指示を待ちます…

幸雄:屋台の店主…①お酒はないの?→大豆アレルギー?
→前例があったから、念のために聞いたんだ。
ある日、鬼族の兄貴と狐耳の姉ちゃんの二人組が、誰がきつねラーメンを多く食べられるかって賭けをここでしたんだ。
だがきつねラーメンには油揚げが入ってて、鬼族は大豆アレルギーだったんだ…
そして、その長い角を持つ鬼の兄ちゃんは賭けに勝ったが、死に賭けたんだ…いったい何のための賭けだったのか…

その他エピソード
神楽の真意(かぐらのしんい)

★神楽舞を披露する際に使われ、宮司の祝福を受けた神鈴。神櫻の香りが漂っている。

★かつて御前で踊られたその舞は、鈴の音を今なお響かせている。
かつて追い求めた白き姿は、彼方へと去り、覚めやらぬ夢を志した…

「あの時の妾は、ただの小さきものに過ぎず、白辰主母様の霊智には遠く及ばんかった」
「無鉄砲で、まるで食べ物を求めて雪の中を駆け回るかのように、殿下の気を引こうとした」
「可笑しな話じゃが、その不器用で恐れ知らずな振る舞いのおかげで、妾は殿下の慈愛を賜ったのじゃ」
「それから妾は殿下に仕え、手足を温めるというささやかな特権を得た」

「じゃが…その後、斎宮様は帰ってくることができんかった。かつての先代方も、ある事情によって離れていった」
「才に欠けた妾ではあったが、『神子』の職を継ぎ、今のように成長したんじゃ」
「こうして、殿下を喜ばせるという責務は、不幸にも妾の肩にのしかかった」
「初めて神楽舞を献上したあの夜、やっと『過去』がどれほど重いものかを知った」

鈴の音が遠くへ響き、師であり友であった白銀の大狐が、夢のように長き川へと消えた。
再び鈴が鳴り響いて、牢固な砂洲が次第に緩み、果てなき渦へと溶けてゆく。
かつての穏やかで純白な姿は、とうに漆黒に染まった記憶となり、
仙狐一族の巫女は神楽の鈴で、生に満ちた「現在」のために舞う。

かつて頭の堅い若き天狗と出会い、「鍛錬」と称して彼女を山で修行させたことがある。
その奔放な振る舞いから、九条の頑固頭たちへと彼女を推薦した。
かつて負けず嫌いな鬼族と勝負した時、その尋常ならざる根気に敗れたことがある…
だが、ほんの少しの工夫で、勝負そのものを面白いものにした。
かつて遠国の半仙との交流で、柔らかく新鮮な海の幸を贈ったことがある。
それでもなお、彼女の愚直なまでの愛を理解するに至らなかった。仙人にとって、それは一種の束縛ではないのだろうか?
月光が枝や花びらを伝い、誰もいない庭に降り注ぐ。
無数の真珠のように美しく、この浅はかな心に輝いた…

「この短き数百年、妾は様々な身分で世を奔走してきた」
「常人と縁を結ぶような幸運には恵まれんかったが、人の美しさを深く知った」
「妾が友と呼ぶ殿下には、限りない時間があることじゃろう」
「共にこの不完全な世を見届け、愛憎と離合の執着を愉しもうぞ」

長きに渡り、殿下が永遠の夢に沈んでいる間、誰かが民衆を見守る必要がある。
悪鬼「黒阿弥」の怨怒を鎮めるため、不祥なる力を見せた。
禿狸小三太の大騒動を収めるため、僅かな法力を用いて手の平で転がした。
島々の秩序を乱す海賊林蔵は、些細な離間計により裏切られた。
あの真っ白な紙のような、日にも月にも傷つけられぬ傾奇者は…
「彼」が正しき道を歩み、災いにならぬことを願おう。
漆黒に塗られた剣豪の残魂も、神林に隠れし災異の獣も、すべて祓い清められた…
殿下と共に追い求めた永遠の夢に比べれば、それらは儚き須臾の間奏に過ぎない。
殿下の目覚めを待つ日々が、果てなきものであろうと、時間はいくらでもあると思えた。

「なにせ、無風無月の浄土にある永遠に枯れぬ蓮と優曇に比べれば」
「俗気にまみれた妾では、かような孤独に耐えられぬ。心も夢もなき者は、実につまらぬであろう」
「酔狂で雷櫻の枝を折り、勝手気ままな妖怪たちと戯れるほうがよほどマシじゃ」
「これらすべて、そう遠くない過去と、希望に満ちた未来」
「雪解けの頃、果たして殿下と共にあの薄紫の初芽を楽しむことができるじゃろうか」