荒瀧一斗(あらたきいっと)

CV:西川貴教

鬼族の末裔であり、豪快にして熱血、そして快意なる漢。その姿は風のように猛々しく、雷のようにまばゆい。(公式HPより抜粋)

プロフィール

誕生日:6月1日
所属:荒瀧派
神の目:岩
命ノ星座:天ノ牛座
名刺:好感度名刺:鬼顔(きがん)…漢なら、痛みと怒りを背中に隠し、爽やかな笑顔を出す!
稲妻城の花見坂で活動する「荒瀧派」の初代親分。なにっ!?荒瀧派なんて聞いたこともないだと?喧嘩売ってんのか、コラァ!?

キャラクター詳細

花見坂を歩いていると、「荒瀧一斗」という鬼族の青年が必ず目に留まるはずだ。
目立つ鬼の角とよく通る大音声。だが、それら特徴を抜きにしても、子供たちと夢中で遊ぶ荒瀧一斗の姿は人の目を引くことだろう。
花見坂には大勢の職人が集い、忙しない日々が流れている。しかし、彼という存在は暇を持て余しているようだ。
自称「荒瀧派の初代親分」一斗は、かつて町内での些細な喧嘩が原因で天領奉行に職務質問をされたことがある。しかし、二分と経たずに彼の言葉は打ち切られ、「無職」と記録された。
ただ「無職」というのは些か妥当ではない。幕府の認可を得ていない荒瀧派だが、その雑務以外にも生計を立てるため彼は臨時の仕事をしているのだ。その頻度は一日働いたら三日休む、という非常にゆったりとしたもの。
ゆえに「四分の三は無職」と記録したほうが妥当だろう。

命ノ星座

★知らぬなら、聞かせてやろう(しらぬなら、きかせてやろう)
★衆よ集いて、山岳倒し(しゅうよつどいて、さんがくたおし)
★牛王跨げば、水陸自在(ぎゅうおうまたげば、すいりくじざい)
★奉行牢獄、御食事処(ぶぎょうろうごく、おしょくじどころ)
★花坂十年、轟く我が名(はなさかじゅうねん、とどろくわがな)
★傾奇の張本、荒瀧一斗(かぶきのちょうほん、あらたきいっと)

天賦

★喧嘩屋伝説(けんかやでんせつ)
★魔殺絶技・岩牛発破!(まさつぜつぎ・がんぎゅうはっぱ!):スキル名は小説『鬼武道』(著・順吉)を参考にしたものだが、「鬼殺絶技」をそのまま流用するのは著作権上に問題があったようだ。一斗は「鬼」だというのに。
★最凶鬼王・一斗轟臨!!(さいきょうおにおう・いっとごうりん!!):ー斗の奥義中の奥義(自称)。強くなるために何かを模倣するのは意味がない。何故なら、この世でもっとも強く、最凶の鬼王とは「荒瀧一斗」のことなのだから。それゆえ、一斗は一斗自身の真似をしていればいい。
なお、翔太はかっこいいと思っている。
★荒瀧第一(あらたきだいいち)
★赤鬼の血(あかおにのち)
★乾裂枝砕き(かんれつえだくだき)

神の目

ある朝、眠りから覚めた一斗が腰の下に手をやると、そこには神の目があった。これは一斗が花見坂に来てもう何年も経ち、生活がある程度安定していた頃の出来事である。
「父ちゃん、母ちゃん、爺ちゃん、婆ちゃん。それに鬼婆婆…とんでもねぇことが起きちまった!」
神の目を見た瞬間、一斗の頭にはそのような言葉が浮かんだという。
その日、彼は人に会うたび神の目を見せびらかしては鼻息を荒くし、神の目を下敷きにしてできた腰のくぼみを見せつけた。皆、耳にたこができるほど聞いたことだろう。
しかし数日後、荒瀧一斗の話す内容は一変していた。
「神の目を見た瞬間、俺様の心は一寸たりとも動かなかった。なぜなら俺様は荒瀧派の初代親分だからな、神の目を手にするのも当然と言える。
そもそも、人の価値なんざぁ、神の目で量れるもんじゃねぇ。そうだろ?」
だが目敏い人であれば、一斗が非常に柔らかな眼鏡拭きを買ったことに気づいていることだろう。
つい先日、『月刊閑事』の質問欄にある投稿が寄せられていた。
「ヒナさん、神の目をより輝かせるためには、どうしたらいいんだ?他のやつらよりもピカピカにしたいんだが…」
それを読んだ荒瀧派の面々は、興奮しながら一斗にその本を見せた。しかし、長年ヒナさんに絶大な信頼を寄せてきた一斗が、一瞥しただけで本を手放したのは想定外だっただろう。

ストーリー

キャラクターストーリー1

客観的に見て、稲妻城での一斗の評判は決して良くはない。
悪人とまではいかないものの、善良な町民でないことは確かだ。
ただ、彼の恐ろしさを言葉で表すのなら、稲妻の家庭で子供を言い聞かせる際、「父ちゃんと母ちゃんの言うことを聞かないと、荒瀧一斗にお菓子を奪われちゃうよ!」と脅される程度のもの。
無論、荒瀧一斗に菓子を奪われる可能性は十分にあり得ることだ。そのため、「袋貉に山へ連れて行かれる」や「将軍様に神像にはめ込まれる」よりも効果はてきめんである。
しかし、「奪われる」という言葉には少々語弊があるだろう。一斗は真っ向から勝負を挑むことで、子供から菓子を手に入れているのだ。
子供に勝って菓子を奪うなど、卑劣な行為だと思う人もいるかもしれない。だが、相手が五歳児であろうと、尊き雷電将軍であろうと、一斗は勝負に対して真剣であるべきだと考えている。
たとえ子供相手でも一斗が素直に負けを認められるのは、この純粋な信条を持っているからなのだろう。
大人たちは一斗に不満を抱いている。しかし、一方で子供たちは、この鬼族のお兄ちゃんを良い遊び相手だと思っているようだ。
荒瀧一斗は巷の様々な遊びに精通しており、どのような遊びであろうと楽しみながら挑む。それだけではない、もしいじめられている子がいれば、必ずその子の味方をするのが荒瀧一斗なのだ。
ここ最近、子供たちが夢中なのは一斗との「虫相撲」である。
この昔ながらの遊びは単純ながらも、非常に苛烈なぶつかり合いによって、見ていて飽きることがない。そして何より重要なのが、他の遊びに比べて一斗の勝率が悪くないという点だ。

キャラクターストーリー2

長いこと、天領奉行は「荒瀧派」をたまに騒ぎを起こすだけの、さほど注意の払う必要がない集団だと認識していた。この一派の構成員は十人にも満たず、結成日でさえ人によって意見が分かれている。
晃の場合、数人のゴロツキに絡まれていたところを一斗に助けられたことがあり、その日を結成日だと考えているようだ。ゴロツキ相手に一斗は七回も膝を突かされたのだが、まったく負けを認めず、ついには呆れ果てた相手が去って行ったという。そして、一斗は倒れていた晃に手を差し伸べ、こう言った――「お前も今日から荒瀧派の一員だ!」
元太と守の場合、ある年の暮れ、稲妻の郊外で一緒にうずくまりながらスミレウリを焼いた日を荒瀧派の始まりだと思っている。
その日、彼らは無一文で腹を空かせていた。すると、焼いたスミレウリを食べながら、一斗は感慨深げにこう言ったのだ――「荒瀧派の野郎ども、これからは毎年こうやってスミレウリを焼いて、一緒
に食おうぜ!」と。
ただ残念なのは、元太も守も、そのような出来事は懐かしむべきものではないと考えている点であろう。
久岐忍の場合、初めて一斗を牢屋から救い出したときこそ、荒瀧派が結成された日だと考えている。なぜなら、そのとき初めて公文書に「荒瀧派」という名が記録されたからだ。
そして一斗の場合、「荒瀧派」の三文字が頭に浮かんだ瞬間から存在していると思っている。
残念ながら、この考えがいつ生じたのか、もうほとんど覚えていない。
しかし、幼い頃から一斗の面倒を見てきた鬼婆婆は、荒瀧派が結成されたことなどないと考えている。
彼女にとって、それはただ一斗と仲間たちが集まっているだけに過ぎないのだ。

キャラクターストーリー3

稲妻には、古くから妖怪の一族が住んでいる。
「白辰狐王一脈」や「天狗党」に加え、「鬼人衆」もこの地で活躍をしてきた。
これら妖怪の大半は、人間が羨むような特殊能力を備えている。だが鬼族の場合、特別な力をほとんど持っていない。
頭に生えている鬼の角を除き、特徴と言えるのはその気性の荒さと厄介事をよく招いてしまう点のみ。
また鬼族が豆を恐れるという言い伝えがあるが、これはすでに学術的に証明がされている。
実は、鬼族の大多数は豆にアレルギーを持っているのだ。ただ鬼族の血は時の流れとともに次第に薄まり、そのほどんどは軽いアレルギー反応を起こすだけとなっている。
しかし、悲しいことに非常に深刻な豆アレルギーを持っている者がいる、それが荒瀧一斗だ。豆を食べるのはもちろんのこと、肌に触れれば全身にかゆみが走り、呼吸もままならなくなってしまう。
そのため、普段は大雑把で周りを気にしない一斗も、「豆」にだけはいつも警戒しているようだ。
荒瀧派の一員は親分への忠誠心から、一斗と飲みに行っても決して枝豆を注文しないという。
なお、豆を使った食べ物の中でも、一斗がもっとも恐れているのは「油揚げ」である。本人曰く、見ただけで三日は吐き気が続くそうだ。

キャラクターストーリー4

「油揚げ」で真っ先に思い浮かぶのが、ある勇ましくも悲壮に満ちた勝負のことだ。
その勝負の始まりは、日常の小さな揉め事であった。一斗が給料を貰った日、行きつけの屋台へ行くと、一つしかない店の席に狐耳の女性が座っていた。
その席を奪おうとする一斗であったが、次第に狐耳の女性と口論となる。そして、その席を賭けて真剣勝負(必要のない)をすることとなった。
話し合いの結果、勝負の形式は一斗が決め、その具体的な内容を狐耳の女性が決めることになった。
働いた後で腹を空かせていた一斗は大食い勝負を選び、狐耳の女性は食べる料理を選んだ――それが「きつねラーメン」である。
ラーメンの中に油揚げが入っていることを想定していなかったのは、一斗にとって致命的なものであった。しかし、持ち前の根性で勝負を乗り切り、なんとか鬼としての威厳を保つ。
そんな一斗の迫力に腰を抜かした店主は、その争いの火種となった席を彼に渡したそうだ。
それら数々の勝負をくぐり抜けてきた一斗であるが、その中でも心残りが二つある。
一つは天領奉行によって神の目を奪われた際、自分を打ち負かした相手である九条裟羅との再戦が果たされていないことだ。
今なお、九条裟羅は町中での相撲を拒否しており、一斗は不満を抱いている。
そして、もう一つが幼い頃にあったある出来事だ。ある日、天狗の子供と口喧嘩となり、白狐の野で相撲を取ることになった一斗。しかし、その最中に二人とも山から転げ落ちてしまうということがあった。
結局、足を挫いて歩けなくなった一斗を、天狗は家まで運んであげたそうだ。もちろん、勝敗は決まらないまま終わっている。
両方とも天狗が絡んでくるとは、なんともツイてねぇ!
天狗っつうのは痩せてやがんのに、どうしてあんな力が強いんだ。

キャラクターストーリー5

赤鬼と青鬼の話は、どの鬼も子供の頃に聞いたことがあるだろう。
優しくてお人好しの赤鬼が、悪事を働く青鬼を倒し、人々から鬼族の尊重を勝ち取る物語。
これは一斗が幼い頃に一番好きだったお話だ。赤い鬼の角を持つ一斗は、赤鬼の血筋を誇りに思っている。
しかし、そんな子供の純粋な思いは、ある事件をきっかけに揺れ動いた。
一斗の住む村で、凶悪な強盗や暴行事件が相次いだのだ。人々の疑惑の目は、鬼族である荒瀧の家に向けられた。
一斗は、当時のことをもうほとんど覚えていない。しかし両親に連れられて村を出るとき、村人たちから向けられた嫌嫌悪感と警戒心に満ちた視線、そしていずれ幾度も耳にすることになる言葉を、彼はいまだに覚えている。
「やはり鬼はどう足掻こうと鬼のままなんだ。」
いつの時代においても、人間から見れば鬼は鬼でしかないのだ。何も悪いことをしていないのに故郷を追われた両親と比べたら、人々に恐れられている青鬼のほうが幾分かマシなのかもしれない。
両親が病死した後、幼い一斗は町中を彷徨い、鬼の悪口を言う者がいれば喧嘩を吹っかけていた。
しかし、殴られるのはいつも一斗のほうである。彼は地面に何度倒れようとも諦めず、厄介な相手だったことだろう。
だが、このときの一斗はまだ子供。ゴロツキどもに痛い目に遭わされ、飢えと疲れで体は悲鳴を上げ、やがて路上に倒れてしまう。
そんな満身創痍な状態の中、一斗はある人間の老婆に助けられた。
「おい、俺様は鬼だぞ!どうして助けた?」「お腹が空いとるんじゃろう?今ちょうどおかゆが出来たところじゃ。」
「聞いてんのか、俺は鬼族だ!俺の頭に生えてる角が見えないのか?」「もちろん見えとるとも…それより、おかゆはどうだい?」
「あああッ!もう、話を聞けってんだ――ゴホッ…ちっ、婆さん…じゃあ、おかゆを一杯頼む…」「ああ、少し待っとれ。」

「豪歌会」(「ごうかかい」)

年の瀬を目前にして、荒瀧派はどう年を越そうかと話し合っていた。
一般的な組織と異なり、荒瀧派は決まった活動拠点を持たず、モラの蓄えもない。きちんとした場を設けるのは些か難しいいことだろう。
案の一つである「スミレウリの会」は却下された。スミレウリ自体を焼いて食べるのは問題ないが、食料がスミレウリだけなのはあまりにも惨めだからである。「虫相撲の会」も悪くない案であったが、年の瀬はオニカブトムシの繁殖期ではないため、いまいち闘志に欠けている。結局、くじ引きにより「豪歌会」なるものが選ばれた。
これは一斗が提案したもので、崖の上に立ち、潮風に吹かれながら熱き想いと未来への希望を歌にするというものだ。
それを知った面々は心の内で拒絶したという。海に向かって熱唱するくらいなら、スミレウリを食べているほうがマシだと。久岐忍はその場で休暇を取って実家に帰りたいと言い出した。
しかし、豪歌会は予定通り開催されることとなる。大声で熱唱するのは実に気持ちのいいこと。そして、意外にも一斗の歌唱力は見事なものであったという。

キャラクター関連

挨拶

●初めまして…:荒瀧派の親分として、俺様の名はすでに四方に知れ渡ってる。「荒瀧・唯我独尊・一斗」、「荒瀧・土俵鬼王・一斗」、「荒瀧・鬼族の誇り・一斗」、「荒瀧・オニカブトムシ剣闘士・一斗」、「荒瀧・札遊びの王・一斗」、「荒瀧・負けてもいいが負けを認めぬ漢の中の漢・一斗」…これらはすべて俺様の通り名だ。どれか好きなのを選んで呼んでくれて構わねぇぜ。遠慮すんな、ハッハッハッハッ。
●世間話・登場:荒瀧・天下第一・一斗、ここに参上!ガーッハッハッハッ…ゴホッゴホゴホッ…
●世間話・菓子:簡単に手にできるものに、意味なんざねぇ!俺様は菓子一つでさえモラを使わず、正々堂々と勝ち取ってくるのさ!
●世間話・虫相撲:虫相撲をなめるんじゃねぇ!汗と涙の一騎打ちを乗り越え、自らを強くする…これぞ人生ってもんよ!
●雨の日…:漢は傘なんかささねぇ…って、こりゃ大降りすぎんだろ!はやく、早く傘させ傘ッ!
●雷の日…:おい!雷電将軍だな?聞け!俺様は屈服しねぇ!当てられるもんなら、当ててみろってんだ!
●雪の日…:うっひょーい…雪転がしで遊ぼうぜ!お前じゃ俺様には勝てねぇけどな!ハ…ハクションッ!…ううっ…
●晴れの日…:良い天気だ!こんな日は、秘蔵のオニカブトムシを特訓させねぇとな!
●暴風の日…:どんなに風が強かろうと、髪型は乱れちゃならねぇ。これが漢の美学ってもんよ。
●おはよう…:よぉ!もうモラが尽きたんだが、今日は働きたくねぇんだ。どっか遊びに行かねぇか?
●こんにちは…:メシを食い終わったらどこ行くんだ?花見坂はもう飽きたし…天領奉行に行くのも、あんまよくねぇな…だったら、離島に行ってみっか!
●こんばんは…:シーッ!どこからか声が…?鬼だ!ガハハッ…驚いたか?
●おやすみ…:疲れたんなら寝ろ、無理はするな。俺様か?俺様は目を開けてても寝れるんだ、へへへヘッ。
●誕生日…:今日は重要な日だ、このためにわざわざ仲間たちには外に出てもらったんだ、じゃないと贔屓してるって言われちまう。ほら、見ろよ!俺様がお前のために用意した誕生日の贈りもんだ、どれも上等なものだぜ!三日三晩かけてやっと捕まえた特級のオニカブトムシ、三百回の勝負を経て勝ち取った限定の札、それから俺様直々の誕生日の歌だ――コホンッ…ハッピーバースデートゥーユー…ハッピーバースデートゥーユー…

自己紹介

●荒瀧一斗自身について・まともな事:俺様がまともな事をやってねぇって、あいつらが言ってたのか?ガッハハハッ!何言ってんだ!俺様は傾奇者だぜ、まともな事をやらねぇのが傾奇者の真髄、何か問題でもあんのか?コホンッ、悪い、少し高ぶっちまった…安心しろ、俺様は盗みも強盗もやらねぇ、生きていけなくなったら、臨時の仕事でもやってモラを稼ぐさ。荷運び、手紙配達、開業直後の客寄せ、日雇いでモラをくれるってんならなんでもいいぜ、ヘヘッ!
●荒瀧一斗自身について・鬼族:人間と共に暮らせるこの良き時代を迎えるため、鬼族は数々のことを経験してきた。だが惜しいことに、今でも多くの人間が鬼族に対してわだかまりを抱えてる…ん?じゃあどうするかって?もちろん変えるんだよ!だが俺様は、わざとあいつらを喜ばせるようなことは絶対にしねぇ。俺様は俺様のやり方で、人間から尊重を勝ち取る!
●息が合うことについて…:おい、お前はいつも誰かのためにあっちこっち走り回ってるが、モラのためだけってわけじゃねぇんだろ?なら、お前もきっと義理堅いやつだ!ちょうどよかった、俺様は義理堅いやつと付き合うのが好きなんだ、俺たちは間違いなく息の合った兄弟になれるぜ!
●評価について…:実のところ、俺様はずっとお前のことを高く評価してる。だから当然、お前が荒瀧派に残るのを願ってるぜ!お前の称号だって考えておいたんだ、お前の名前に「天下第二」と付ければ、俺たちは「一、二と数えられる」双璧になる!ハハハッ!まあ…冗談はこれぐらいにして、お前にもっと重要な使命があるのは知ってる。だから…行けっ!お前のやりたい事を全うしろ!だが、これだけは覚えとけよ、荒瀧派はいつでも無条件でお前に応えるぜ!
●「神の目」について…:それは聞くな。そのことを話すとまた怒りがこみ上げてくる!人々が大切にしているものを奪い、挙句の果てに神の目を雑に飾るとは!幕府軍めぇ、なんて極悪非道なヤツらなんだ!普通、神の目の持ち主が強ければ強いほど、上の方にはめ込むはずだろ。だけど…いったい誰だ!俺様の神の目を一番下にはめ込んだのは!
●シェアしたいこと・ヒナさん:何か悩みがあるなら、『月刊閑事』の質問欄に投稿してみるといい。きっとヒナさんからの心温まる答えがもらえるはずだぜ!ああ…彼女のおかげで、俺様の魂はもう迷わずに済んでる…そうだ、俺様はヒナさんとの交流会にも申し込んでてな!本当に待ち遠しい。
●シェアしたいこと・角:俺様の頭にある角、ずっと見てると単調すぎやしねぇか?いっそ塗料で虹色にしてみよう。それからホタルを結びつけて、通りを華やかに歩く。くぅ~考えただけで、カッコよさがにじみ出てくるぜ!俺様はやっぱ天才だな、今すぐ野郎どもに準備させよう!
●興味のあること…:オニカブトムシを捕まえる唯一の秘訣はな――目ん玉かっぴらいてよく見ることだ。特に雨風吹き荒れる日は、よく見ねぇとスミレウリをオニカブトムシと間違えちまうぜ!
●荒瀧一斗を知る・1:お前はきっと、なんで俺様が虫相撲と札遊びしかできないのに、荒瀧派の親分の座につけてるか気になるんだろ?フフフフッ、確かに、それしきのことだけじゃあ人の上に立つのは無理だ。いい機会だ、お前に教えてやろう!俺様は、逆立ちでラーメンが食えて、鼻で口琴が吹けて、髪でハエが叩けるんだ。どうだ、これで疑問は吹っ飛んだだろ?
●荒瀧一斗を知る・2:稲妻人は毎度、祭りや引っ越し、病気になった時に豆を撒く。「鬼は外、福は内」って言いながらな…もう耳にたこができるほど聞いたぜ。しかも豆がしょっちゅう外に飛んでくるもんだから、俺様のアレルギーが…クソッ!俺様は必ず鬼族のために、鬼が何もやってないことを証明してやる!何かにつけて鬼退治とか魔退治なんて…そんなのやるもんじゃねぇ…
●荒瀧一斗を知る・3:人間の鬼族に対する偏見をなくすため、仲間たちに俺様の優しそうな姿を写真機で撮ってもらって、稲妻城の掲示板に貼ったんだ。そしたら誰かが写真に落書きしやがった!しかも天領奉行のバカども、民衆の混乱を引き起こすから治安に悪いとか言いやがる。社奉行からも風紀を乱すと言われ、勘定奉行の犬には広告営業税を取られるとかなんとか…チクショー…分からず屋どもめ!
●荒瀧一斗を知る・4:不幸な経験をした人を抱きとめ、理解する。これが俺たち荒瀧派の「誇り」だ。外のやつらはいつも怪人と言うが、そんなのは無視しろ。俺様からすりゃ、あいつらは一人一人俺様の大事な家族だ!ハハッ、あいつらもみんな俺様と同じ考えさ、どんなことがあっても荒瀧派と共に苦楽を共にしていくだろう。
●荒瀧一斗を知る・5:俺様は青鬼の「自己犠牲と引き換えに赤鬼を存続させる」行為を尊敬してる。だが、彼らの理念に賛同することはできねぇ!「より良く生きていく」ことは…決して同族の犠牲と引き換えに成り立つことなんかじゃねぇ、「共により良く生きていく」ことこそ大事なんだ!勝手に犠牲になって…勝手にかっこつけるなんて…くっ…まあ、過去はもう変えられねぇ。だが、今後この俺様、荒瀧一斗の目が届く限り、誰かが己を犠牲にすることなんざ許さねぇ!お前たちの前には、この俺様がいる!
●趣味:虫相撲、札遊び、こま、けん玉、かくれんぼ…お前が知ってる遊びも知らない遊びも、俺様は全部できるぜ!どうだ?何で勝負する?全戦全敗の準備でもしておけよ!ガッハッハッハッ!
●悩み:「鬼婆婆」は鬼じゃねぇ、あの人は世界で一番俺様によくしてくれる人間だ!ただ、俺様を引き取ってから鬼婆婆って呼ばれるようになっちまった。俺様は別に他人からどう見られようと気にしねぇ、だが…俺様のせいであの人が何か言われる姿は見たくねぇ…
●好きな食べ物:棒付き飴は上から下までぜんぶお宝だぜ。飴の美味しさはもちろん、棒を口に咥えてもカッコイイ。自由奔放な気質が出るからな。ほら、お前も試してみろよ。
●嫌いな食べ物:俺様は鬼だぞ鬼!嫌いなもんはもちろん豆だ!黄色いのも緑色のも全部だめだ。食べるどころか、触れただけでアレルギー反応が出る!だから、豆を撒く悪いしきたりは早く根絶してくれ!
●突破した感想・起:おお…これだこれ!力がより強くなった!
●突破した感想・承:すげぇー力が湧いてくる…これで勝率も上がるってもんだ!
●突破した感想・転:この力、パンチ一つで岩を砕けるんじゃねぇか?
●突破した感想・結:これで、俺様は名実ともに「荒瀧・天下第一・一斗」になったわけだ!お前がしてくれたこと、俺様は忘れねぇぜ。今後は、俺様がお前を守ってやる。

関連キャラクター

楓原万葉:聞いた話だが、お前が天守閣から逃げた時、あいつが「無想の一太刀」を受け止めたんだよな?カッコイイぜ!いったいどうやってやったんだろうな。考えてもみろよ、あいつは没落した武家、俺様は没落した鬼族…ある意味、俺様はあいつと同じだ!ガハハッ、だったら、次の一太刀は、俺様がお前の代わりに受け止めてやる!

神里綾人:ハッハッハッ、綾人の兄貴とは、もっと早くに会えてたらよかったと思ってるぜ!綾人の兄貴に「温厚な虫の闘志を再び燃やしてやる」ことが、俺様の生涯通すべき覚悟だと教えてもらった。もしそれがなかったら、俺様はたぶん七百八十回目の敗北時に、虫相撲をやめてたかもしれねぇ…フフッ、やっぱ男を理解できるのは男だけだぜ。俺様と綾人兄の間に余計な言葉はいらねぇ、札遊びや虫相撲の時も、心が完全に通じ合ってたしな。

→あの者は実に面白い。大人しい性格のオニカブトムシを戦わせるなんて、意外性満点です。あの時、彼に少し指導したのはただの気まぐれに過ぎませんが、まさか私のことを兄と慕ってくれるとは…しかも未だに「綾人の兄貴」の身分を知らないのです。別に…ふふっ、単純な人は嫌いではありませんよ。

★綺良々→鬼なのに、人間とあんなに仲がいいなんて…その上、自分の組織まで持ってるなんて!うーん…ほんとにすごいよね。わたしも彼に指導を仰ぎに行ったほうがいいかなあ?

久岐忍:荒瀧派の仲間たちはみんな俺様の意志に従うが、唯一この忍ってやつはいつも俺様の真逆をいくんだ!俺様が一生懸命勝ち取ってきた戦利品も、一個ずつ元の場所に返しに行く…まあいい、毎回俺様を牢獄から出してくれるし、俺たちの後片付けもしてくれる。このことは忘れよう!あいつを怒らせちまったら、いい暮らしもできなくなるからな…

→親分はつらい過去をたくさん持っている。だがそれでも、いつも明るく楽観的でいられるのが親分の凄いところだ。親分は私たちに優しいし、その純粋さも荒瀧派のみんなを感化している。もちろん、それは親分が暴れて他人に迷惑をかけていい理由にはならない。もし親分があんたにちょっかいでも出したら、私に言うといい。しっかりと懲らしめて、あんたに無礼を働いたことを後悔させてやるから。

九条裟羅:目狩り令の時、確かにあいつに負けた。けっ、別に恥ずかしくはねぇ、負けたら正々堂々と投降する、間違ったことをやったらおとなしく責められる、それでこそ真の漢ってもんだ!逆にあいつはどうだ、天狗のくせに俺様の復讐の申し出に応じねぇ!十字路で相撲をやるのがそんなに怖いのか?これ以上応じる気がなけりゃ、「九条天狗」じゃなく「九条亀」って呼んでやる!

→ああ、あの者について話すと、頭が痛くなってくるな。彼の神の目を接収した時は大層な騒ぎとなった。私が今まで見た中でも最も騒がしい者…いや、騒がしい鬼だな。堂々と負けを認めた点はまあ男らしいが、それでもあの復讐の誓いは…ふむ…ここまでにしよう、これ以上は話したくない。もし知りたいのなら、彼に直接聞いてみるといい。

ゴロー:おお、抵抗軍のわんこ大将か、体付きは小せぇが肝が据わってて悪くねぇ!それに、あいつの体からは心温まる親しみを感じる…おかしいな、会ったことはほとんどないんだが…

早柚:気付いてない時に頭を撫でただけなのに、あれから会う度に俺様に飛びかかって殴ってきやがる。ガッハハ、まったく仕方のないやつだ。あんなに可愛い狸、誰だって頭を撫でたくなるだろう?あっ、そうだった…狸って呼んでも殴られるんだったな!でも、なんでだ…狸だろあれ?

→なぜあんなにやかましい者がいるのだ。しかもあんなに背が高いのはなぜだ!

★鹿野院平蔵→何回か、「牢屋にいる彼に焼きスミレウリを持って行ってくれ」って頼まれたんだけど、そこでたまたま彼の歌声を耳にしてさ。正直、歌詞は酷かったけど、歌は上手かった。牢屋の中でもあんな元気にいられる人って、なかなか見ないよ。

トーマ:野郎どもから聞いたんだが、百個目の神の眼をはめ込む目狩り儀式の主役はあいつらしいな?なんであいつには専用の儀式があるんだ?まさか、百個目の神の目は、それ以外の九十九個よりも凄いのか?いや待てよ、だったら百個目は俺様のはずだろ!

→あれは巷でうわさの怪人で、妖怪の血を引いていると聞く。彼に会ったことはあるかい?知り合いなら、ぜひオレに紹介してくれ。友達を作るのはいいことだよ…たとえ妖怪の友達でもね!

狐耳の女性(八重神子):あのきつねラーメンの勝負は俺様が勝った!たとえ油揚げが入ってても、この俺様に勝てると思うなよ!まあ、あの後…一ヶ月ぐらい寝込んじまったが、勝者の栄誉は守れた!だがあいつはどうだ、三十二杯のラーメン代を支払うという屈辱を背負うはめになった!ハーッハッハッハッハッ!

→あやつか、鬼族の妙な若造じゃろ。ふふっ、九条家に迷惑をかけておるらしいな。天領奉行の者は風紀を乱すという理由から、あやつが町に書いた伝言を消そうとしておるが、妾がそれを残すよう頼んだんじゃ。ふふっ、あんなに面白い小鬼、近頃は滅多に見られぬ。

宵宮:あいつ、自分が花火とおもちゃを作れるからって、色んな手段で子供たちの機嫌を取りやがって…ダメだ!あいつにだけ脚光を浴びせるわけにはいかねぇ!「ガキ大将」は俺様って決まってるんだ!お前も絶対俺様の味方に…なに?お前は子供じゃない?けっ、俺様に言わせりゃ、俺様より背が低いやつはみんな子供だっつうの!

→ああ、あの人なぁ。ああ見えて、子供にけっこう人気なんや。せやけど負けず嫌いやさかい、子供の遊びに付きおうてる内にいつの間にか勝負しとるんや。ラーメンのスープの一気飲み勝負とか、表情を変えんとどっちが梅干しを食えるかとか、ほんで他の子供たちは横でどっちが勝つか予想したり、応援したりする。やれやれうちも負けてられへんな。

「荒瀧派」?えええっ!?ただの無職やあらへんの?

雷電将軍:将軍が目狩り令を行ってた時、俺様を制圧するためにご自慢の天狗まで動員させてた。つまり、俺様は将軍が頭を抱えるほどの相手だってことだろ?だが、目狩り令を廃止するって決めたんなら、まだ救いようがないわけじゃねぇ。今回の教訓を活かして、もうこんなこと二度としなければそれでいい。じゃねぇと、もっと頭を抱えさせてやるぜ、へへっ。

→誰でしょうか?

関連NPC

上杉:同心…①あなたは?→②勘違い事件?
→その件なら、主に荒瀧一斗という鬼のせいです。
目狩り令実行期間中、九条裟羅様に敗れた彼は、どうやって復讐するかを考えていました。
当初、九条裟羅様は彼の真剣な姿と闘志を認め、後日再戦することを約束しました。
…しかし荒瀧一斗は、変なことを言い出したのです。古き妖怪の規則に則り、復讐の戦いは十字路での相撲対決でなければ、と…
おかしい、おかし過ぎます!まさに九条裟羅様に対する嫌がらせです。
結局戦いは遂行出来ず、荒瀧はお面をかぶった女性に耳を引っ張られ連れていかれてしまいました…裟羅様がこの事件で落ち込んでいなければ良いのですが、はぁ…

翔太:①何してるの?→成功したことある?→すごい具体的な罰だね。
→ふん、それが悪い奴らの結末だ!
宵宮姉ちゃんみたいないい人にならないと、褒められないって、神様はきっとみんなに知らせてくれる。
宵宮姉ちゃんは僕を笑わないし、小さな花火をくれるんだ。勉強してる時も励ましてくれる…僕にとって、宵宮姉ちゃんは家族以外で一番いい人なんだ!
角が生えた兄ちゃんみたいに、かるたで賭けを持ちかけてきて、お菓子を全部勝ち取っていくんだ…うう、僕のお菓子、元々多くないのに…

●「花角玉将」

幸雄:屋台の店主…①お酒はないの?→大豆アレルギー?
→前例があったから、念のために聞いたんだ。
ある日、鬼族の兄貴と狐耳の姉ちゃんの二人組が、誰がきつねラーメンを多く食べられるかって賭けをここでしたんだ。
だがきつねラーメンには油揚げが入ってて、鬼族は大豆アレルギーだったんだ…
そして、その長い角を持つ鬼の兄ちゃんは賭けに勝ったが、死に賭けたんだ…いったい何のための賭けだったのか…

梨絵:①町について…→①ただ…?
→あ、誤解しないでね。花見坂もとてもいいところよ。八重堂で小説を一冊買って、「木南料亭」で美味しい料理を食べれば、心地よい一日を過ごせるわ。
ただ、最近は花見坂周辺で、頭に長い角が生えた怪人が出没する、という噂があるの。
その人は恐ろしく、横暴で、天領奉行の九条裟羅様も頭を悩ませているそうよ。
でも他の噂によると、その怪人は狼藉者なんかじゃなくて、いつも子供たちと一緒にかるたや虫で遊んでいるらしいの…
どの噂が本当かは分からないけど…とりあえず買い物に行く時は、くれぐれも気を付けてね。

その他エピソード
神楽の真意(かぐらのしんい)

★神楽舞を披露する際に使われ、宮司の祝福を受けた神鈴。神櫻の香りが漂っている。

★かつて御前で踊られたその舞は、鈴の音を今なお響かせている。
かつて追い求めた白き姿は、彼方へと去り、覚めやらぬ夢を志した…

「あの時の妾は、ただの小さきものに過ぎず、白辰主母様の霊智には遠く及ばんかった」
「無鉄砲で、まるで食べ物を求めて雪の中を駆け回るかのように、殿下の気を引こうとした」
「可笑しな話じゃが、その不器用で恐れ知らずな振る舞いのおかげで、妾は殿下の慈愛を賜ったのじゃ」
「それから妾は殿下に仕え、手足を温めるというささやかな特権を得た」

「じゃが…その後、斎宮様は帰ってくることができんかった。かつての先代方も、ある事情によって離れていった」
「才に欠けた妾ではあったが、『神子』の職を継ぎ、今のように成長したんじゃ」
「こうして、殿下を喜ばせるという責務は、不幸にも妾の肩にのしかかった」
「初めて神楽舞を献上したあの夜、やっと『過去』がどれほど重いものかを知った」

鈴の音が遠くへ響き、師であり友であった白銀の大狐が、夢のように長き川へと消えた。
再び鈴が鳴り響いて、牢固な砂洲が次第に緩み、果てなき渦へと溶けてゆく。
かつての穏やかで純白な姿は、とうに漆黒に染まった記憶となり、
仙狐一族の巫女は神楽の鈴で、生に満ちた「現在」のために舞う。

かつて頭の堅い若き天狗と出会い、「鍛錬」と称して彼女を山で修行させたことがある。
その奔放な振る舞いから、九条の頑固頭たちへと彼女を推薦した。
かつて負けず嫌いな鬼族と勝負した時、その尋常ならざる根気に敗れたことがある…
だが、ほんの少しの工夫で、勝負そのものを面白いものにした。
かつて遠国の半仙との交流で、柔らかく新鮮な海の幸を贈ったことがある。
それでもなお、彼女の愚直なまでの愛を理解するに至らなかった。仙人にとって、それは一種の束縛ではないのだろうか?
月光が枝や花びらを伝い、誰もいない庭に降り注ぐ。
無数の真珠のように美しく、この浅はかな心に輝いた…

「この短き数百年、妾は様々な身分で世を奔走してきた」
「常人と縁を結ぶような幸運には恵まれんかったが、人の美しさを深く知った」
「妾が友と呼ぶ殿下には、限りない時間があることじゃろう」
「共にこの不完全な世を見届け、愛憎と離合の執着を愉しもうぞ」

長きに渡り、殿下が永遠の夢に沈んでいる間、誰かが民衆を見守る必要がある。
悪鬼「黒阿弥」の怨怒を鎮めるため、不祥なる力を見せた。
禿狸小三太の大騒動を収めるため、僅かな法力を用いて手の平で転がした。
島々の秩序を乱す海賊林蔵は、些細な離間計により裏切られた。
あの真っ白な紙のような、日にも月にも傷つけられぬ傾奇者は…
「彼」が正しき道を歩み、災いにならぬことを願おう。
漆黒に塗られた剣豪の残魂も、神林に隠れし災異の獣も、すべて祓い清められた…
殿下と共に追い求めた永遠の夢に比べれば、それらは儚き須臾の間奏に過ぎない。
殿下の目覚めを待つ日々が、果てなきものであろうと、時間はいくらでもあると思えた。

「なにせ、無風無月の浄土にある永遠に枯れぬ蓮と優曇に比べれば」
「俗気にまみれた妾では、かような孤独に耐えられぬ。心も夢もなき者は、実につまらぬであろう」
「酔狂で雷櫻の枝を折り、勝手気ままな妖怪たちと戯れるほうがよほどマシじゃ」
「これらすべて、そう遠くない過去と、希望に満ちた未来」
「雪解けの頃、果たして殿下と共にあの薄紫の初芽を楽しむことができるじゃろうか」

喜多院十文字槍(きたいんじゅうもんじそう)

★ヤシオリ島で「祟り神」を見守る槍術の名士が使っていた特殊な長槍。

★喜多院文宗が自身の槍術に合わせて設計した変わった形の槍。素人が扱えば、特殊な重心が扱いづらく感じてしまう。だが正しい使い手なら、破格の破壊力を発揮できる。

喜多院は遥か昔、「祟り神」を殺す家系だった。長い間、「ヤシオリ守」を務めてきた。

昔々、稲妻の地に伝わる童謡にこういうものがあった。「大手門荒瀧、胤の岩蔵、長蛇喜多院、霧切高嶺」大地を照らしたい眩い武人たちを讃える歌だ。昔はもっと沢山の名前があったが、それらは歴史に埋もれていった。長年妖魔を殺す者は、穢れた血を飲むこともある。

霧切の廻光(むせつのかいこう)

★烈々たる紫の光に輝く太刀。「廻光」という名は、かつて砕かれた過去に由来している。

★将軍より賜った旗本の銘刀の一振り。雷光の如く夜霧を切り裂くと言われている。
一度粉々になった後、打ち直した際、刀身に雲のような紋が浮かんだ。

歌謡に歌われた「大手門荒瀧、胤の岩蔵、長蛇喜多院、霧切高嶺」は武を学び子供らが歴史上の武人の名を並べたものだ。
その中の「霧切高嶺」は、秘剣「霧切」で無数の妖魔や祟り神を斬った。
影向の天狗から弓を習い、その技を意中の人に教えた。
しかし秘剣霧切は伝承されず、物語や絵画、童謡の中にしか存在していない。

その生涯の最期、彼は将軍の陣の中で、漆黒の軍勢と対峙した。

愛用の弓を賭け金として彼女に預けていなかったら、もしかしたら違う結果になったかもしれない。
だが真の博打打ちに待ったはなし。「もしも」なんて、決して言わない。
敵が霧のように湧いてくるというならば、夜霧を切り裂く剣技をお見舞いすれば良い。
斬撃が速ければ、漆黒の霧をも裂いて、光明を見ることができるだろう――

「浅瀬、お前との約束は……いや、このすべての賭けを終わらせる賭け、絶対に負けられない」
「俺は帰る。賭け金の弓と一緒に、勝ち取った未来も俺のものだ!」

絶えず光る雷光のように、彼は霧切とともに妖魔を斬った。
だが、刀は剣客の執着ほど強靭ではなかった。
漆黒の濃霧が、彼を呑み込んだ……
その刀の欠片の一部が回収され、打ち直したものは霧切の名を継いだ。

暗闇に垂らす蜘蛛の糸を掴むように、砕けた刀の柄を握りしめ、
漆黒の濃霧の中、執拗に自分に言い聞かせた。
賭けの勝負はまだ決まっていない。俺は絶対に、浅瀬のもとに帰るんだ……