甘雨(かんう)

CV:上田麗奈

璃月七星の秘書、その身には人間と仙獣の血が流れている。天性は優雅で華やか、仙獣「麒麟」の優しさを併せ持ち、仕事に対しては実直かつ真面目に取り組む。なぜそうまでして彼女は仕事に取り組むのか、甘雨にとって仕事とが帝君との契約を履行するものであり、そして璃月に住む数多の命に最大限の幸せをもたらすと信じているからだ。(公式HPより抜粋)

プロフィール

誕生日:12月2日
所属:月海亭
神の目:氷
命ノ星座:仙麒座
名刺:好感度名刺:麒麟の跡(きりんのあと)…草を折らず、虫を履まず。
月海亭の秘書、その身には仙獣「麒麟」の血が流れている。

キャラクター詳細

璃月、ここに住む人々の多くは「玉京台」の生活に憧れを抱くが、その規則を知る者はほとんどいない。
人々は「璃月七星」が才能に溢れた集団であり、璃月の命綱を握っていることを知っているが、全ての決断がどのようにして決定されているのかを容易には理解できない。
人々は新しい年に公布される条例が市場を大きく動かすことを知っているが、それがどのようにして繁雑な議事録の中から抜き出され、理解しやすい言葉に書き換えられているのか知らない。
甘雨は「月海亭」の秘書であり、世の人々の目に映らない仕事をいくつも担当している。
人々は甘雨の地位を知っているが、それでも「月海亭」の秘書と、夜明けに埠頭で黙々と朝食を楽しむ彼女を結びつけるのは困難であった。
朝日が昇りきる前に、彼女は再び玉京台にある月海亭へと戻り、引き続き「契約」を完遂する為に働く。
――そう、それは三千年前に彼女と「岩王帝君」が結んだ契約なのだ。

命ノ星座

★飲露(いんろ)
★獲麟(かくりん)
★雲行(うんぎょう)
★西狩(せいしゅ)
★折草(せっそう)
★履虫(りちゅう)

天賦

★流天射術(りゅうてんしゃじゅつ)
★山沢麟跡(さんたくりんせき):「私を見かけたと?それは気のせいでしょう。その時間はまだ残業中です。」
★降衆天華(こうしゅうてんげ):甘雨は甘い雨を降らすことができる。だが、邪魔者や外道にとってその甘い雨は、寒苦の雨でもある。
★唯一の心(ゆいいつのこころ)
★天地安泰(てんちあんたい)
★弓蔵待命(きゅうぞうたいめい)

神の目

麒麟は仙獣の中の仁獣であり、甘露を飲み、嘉禾を食す。
生きた虫を踏まず、生きた草を折らず、群れず、旅をせず、罠に入らず、穏やかで寛大で、温厚で優雅な一族だ。
過去に海の中で巨獣が暴れまわり、足元の大地が脅かされた時、平穏という言葉は日常の中から消え去った。
三千年前、甘雨は岩神モラクスの召喚に応え、魔神戦争において彼に助力した。
戦争が終結すると、彼女は璃月に残り、人々がより完璧な国を作り上げるための手伝いを始めた。
初代の璃月七星が補佐を必要とした時、彼女はこの任を引き受けて七星の秘書となる。
そして彼女がこの決断を下した瞬間、腰元に「神の目」が現れたそうだ。それは彼女に卓越した肉体と、世界と共鳴する力を与えた。
その時、甘雨の心は平和と安堵に満たされていた。
どんなに強くなろうとも、「神の目」を使うことはないだろう。これは璃月を守る最後の手段である。
仙獣と人間の混血として、彼女は二つの種族の架け橋となることを選択した。そして「神の目」は、その新しい責任への証人である。

ストーリー

キャラクターストーリー1

甘雨は、七星のうち誰か一人の「専属秘書」というわけではなく、「璃月七星」全体の秘書である。
その温厚な見た目とは裏腹に、その内には盤石な意思が秘められている。
このことを、仙人たちを率いる岩王帝君はとうに見抜いていた。
遥か昔、「璃月七星」が初めて璃月に現れたとき、甘雨は初代七星の秘書を務めることになった。
それから璃月七星は幾度となく世代交代を繰り返すも、そのそばにはいつも甘雨がいた。
それはその長い年月の間、璃月各所の膨大な書類の処理を全て甘雨が担ってきたことを意味する。
彼女は仕事量が七倍、百倍、千倍になったとしても、微塵も責任感を減らすことなく、あの最初の日から変わらずに働いてきた。
かつて、何が甘雨をそうまでして突き動かすのか理由を探ろうとした者がいたが、その答えは明らかになることがなかったそうだ。
「私がしたことは、帝君の功績と比べたら…足元にも及びません」

キャラクターストーリー2

「私の仕事は、璃月に存在する数多の命に、最大の幸福を与えることです」
ほとんどの状況下において、甘雨は信頼に値する秘書である。
膨大ともいえるその仕事の数々を、彼女以上に上手く処理するものはいないだろう。さらに、彼女は璃月のあらゆる物事に対して、独特で鋭い視点を持ち合わせている。
ただ、甘雨が頼りになるのは「ほとんどの状況下」でのことであり、一部はそうではない。
肝心な場面であればあるほど、少しの失敗も許されないと力み、彼女は余計な緊張をしてしまうのだ。そして、その緊張のせいで失敗を犯す。
例えば、璃月の1年の中で最も重要な儀式のひとつである「七星迎仙儀式」でのことだ。
甘雨はある年の「七星迎仙儀式」に3分遅刻し、群衆が見つめる中、人混みをかき分けてやっと儀式の場に到着したことがあった。
その後、甘雨は顔を赤面させながら口ごもり、言い訳もせず、ただ心の中で「岩王帝君」に何千回と謝罪した。
仲のいい同僚は、この失態には何か裏があると考えた。
顔見知り程度の同僚たちは、帝君が特に気にしていないのを見て、それに倣うことにした。
プライベートでも付き合いのある者は彼女を心配し、仕事量を調整するか、短期の休暇を取得するよう勧めたが甘雨は首を横に振った。
「今年の式典に来ていく衣装の飾りをどれにすべきか悩んでいたら、2時間も経っていました…」
ーーこのような理由を、甘雨は絶対に誰にも言わないだろう。

キャラクターストーリー3

千年はどれくらい長いのか?
それは萩花州に咲き誇っていた瑠璃百合が洪水により絶滅するほど長く、賑やかだった帰離原が戦後寂れて廃墟と化すほど長い。
千年はどれくらい短いのか?
甘雨にとって、それは瞬く間のこと。
凡人では想像もできない長い年月の中、甘雨は玉京台に座り続け、あらゆる書類を処理してきた。
全ての楼門の建設を記録し、すべての産業の繁栄を目にした。
甘雨は時間の流れを客観的に捉えていた。時間は白紙の上で絶え間なく更新される膨大な数字であり、あらゆる色を使って区分される必要のあるテーブルであると。
時間は、甘雨の心を変えることができなかった。彼女はずっと、「人」と「仙獣」の間で揺れ動いている。
麒麟である彼女には、人間の世界で起こるたくさんの争いを理解できない。
一方、その身に流れる人の血が彼女に、人間社会に融け込む希望を囁くのだ。

キャラクターストーリー4

ひとたび仕事から離れると、甘雨は普段とは違う一面を見せる。
彼女には昼寝の習慣があり、まるで体内に寸分の狂いもない時計が埋め込まれているかのように、時間になると場所や状況に関係なく、体を丸めてすぐに眠ってしまうのだ。例えヒルチャールが彼女を囲みながら騒がしく踊っていても、彼女が目を覚ます事はない。
この習慣は最初「璃月七星」の身内同士の笑い話でしかなかった。
だが、ある日「天璇星」に同伴し昼食を外で済ませた後、満腹になった甘雨が道端に積まれた干し草の上で眠ってしまったことがあった。そして、そのまま荻花洲へと運ばれてしまい、荷下ろしの時に頭を地面にぶつけてようやく目を覚ましたという。
元の場所へ戻るまでの3時間、「天璇星」は甘雨が何も告げずに姿を消すやつではないと重々理解していたため、危うく失踪届けを出してしまう寸前だったそうだ。
その後、「今後、昼寝は安全な場所で行うこと」という訓戒を受けた甘雨は、落ち込みながらこう口にした。
「璃月は…どこも安全な場所ではないのですか」と。
甘雨の世間に対する認識が多くの人とズレているのは、彼女の中に仙獣の血が流れているからなのかもしれない。

キャラクターストーリー5

甘雨に仙獣「麒麟」の血が流れていることは、璃月港であまり知られていない。
緋雲の丘を通る時、彼女を初めて見る者は毎回、その長い髪から伸びている物について聞く。それに対し、彼女はいつも家に伝わる髪飾りだと誤魔化すのである。
「もし、みんなに本当のことを知られてしまったら、もっと距離を取られてしまいます…」
今まで、一度も璃月の民と親しくなったことなどないが、甘雨にとって心の距離を置かれることは悲しいことなのだ。
また、それとは別にもう一つ重要な理由がある。これが「麒麟の角」であることを正直に話してしまえば、好奇心から角を触る人が現れるかもしれないからだ。
――心理的や生理的に関わらず、角にも感覚があるのだ。
また他にも、甘雨が用心深く隠してる秘密がある、それが「体型の維持」だ。
麒麟は菜食主義者だが、璃月の料理はその名を天下に轟かせるほど美味であり、たとえ野菜料理であっても食欲を抑えるのは難しい。
そのため、町での生活に慣れた甘雨は、己の体型と体重を常に気にするようになった。
気付けば美味しいものに吸い寄せられていたなんてこともしばしばあり、食欲をコントロールすることはドラゴンスパインで烈焔花を見つけるのに等しいくらい困難であると彼女は考えている。
だが、例え困難なことであっても、甘雨は努力を怠ったりしない。
彼女は数千年前の魔神戦争中、毬のように丸々と太っており、その体型ゆえに巨獣の喉を詰まらせたことがあった。息の出来なくなった巨獣はいとも容易く降伏したという。
その恥ずべき過去を繰り返さぬよう、甘雨は何がなんでも体型を維持すると心に強く誓っているのである。

玉京台植物誌(ぎょくけいだいしょくぶつし)

玉京台でよく見られる植物の特徴や習性を記した手記、その秀麗な字は甘雨の手書きによるものである。
手記は明確に部類分けされており、内容は簡潔かつ的確で、小難しい内容は分かりやすく要約までされている。例えば、瑠璃百合の保護の要点や霓裳花の移植についてなどだ。
読み物としても専門書としても、正式に出版しても良いレベルのものである。
――以上が、最初のページをいくつかめくった時の感想だ。
ページを後ろからめくった時、その内容に驚かされることだろう。
手記の後ろの数ページは、その大部分が黒く塗りつぶされているのだ。
じっと目を凝らすことで、そこに各種野菜の育て方が記されていることを辛うじて判別できる。
「自分で野菜を育てられるようになると、食欲をコントロールするのがもっと難しくなります」
甘雨は拳を強く握りしめながら己の欲望を抑え、苦労してまとめ上げた成果を全てなかったことにしたのである。
ある日の事、お腹を空かせた甘雨が花の水やりをしようとした時、霓裳花へと頭から突っ込んでしまった。その時、もしこれがスイートフラワーだったらと妄想することで、自分の食欲を紛らわせたという。
そして、そのまま昼寝の時間になり、彼女は山積みのスイートフラワーに包まれる夢を見るのであった。

キャラクター関連

挨拶

●初めまして…:分かりました、派遣の「契約」はできましたので、ご確認を。では今からあなたのために…えっ!?私のサインがないですか?確認しますね。えっと…名前は甘、甘雨です…これでいいですね。と、ところで、仕事内容は何でしょうか?
●世間話・穏やか:穏やかな雰囲気…とても好きです。
●世間話・聞こえる:芝生に寝転がると、大地の鼓動が聞こえてきます。
●世間話・配慮:仕事…仕事がまだ終わってません…休んでいいのでしょうか?
●雨の日・心配:飛雲商会が栽培した霓裳花には十分の露が必要ですが…和計交通の方たちは雨の後のぬかるんでいる山道が嫌い…
●雨の日・音:庭で雨の音を聞くのが好きですが、少し贅沢すぎますね。
●雨上がり…:ん?晴れましたか?いつの間に…
●晴れの日…:うん、空気が綺麗ですね。
●風の日…:琉璃百合のにおい、いいですね…
●おはよう…:おはようございます…ん?どこか変ですか?あまり…髪飾りをじっと見ないでください。
●こんにちは…:ふわぁ…お昼寝しないと。用件がなければ…失礼しますね。
●こんばんは…:家々のともしびがすぐ目の前にある。人々の生活は一体どんなものなのでしょう…え?一緒に夜市に?あっ…ご、ごめんなさい、遠慮しますね。
●おやすみ…:…帝君のご加護と、良い夢が訪れますように。
●誕生日…:お誕生日おめでとうございます。今までお世話になったのに、プレゼントも用意していないなんて…後ろにあるもの?えっ、見たんですか…失敗した清心のお菓子です…完璧に作りたいと思ったのに…お、美味しいですか?ほ、本当に?

自己紹介

●甘雨自身について…:私の仕事は帝君との「契約」に従い、璃月の数多くの命に最大限の幸せをもたらすことです。
●仕事について…:今日の仕事が予定より早く終わりました。…ざ、残業?…承知しました、頑張ります。
●請求について…:人間の話をもっと理解したい…特に人間に対するあなたの考え方と評価を知りたいです。えっと、だってあなたはテイワット大陸の普通の人間と違いますから。それに私も…ぜひ、私といろいろ交流してほしいです。
●評価について…:えっと…あの…わ、私の仕事ぶりに関して、あなたの評価を知りたいです。ふ、普通の宝箱レベルか、それとも豪華な宝箱レベルか。だ、大丈夫です。私は…どんな評価でも耐えられます。
●「神の目」について…:「千の権力には千の責任が伴う。」古今を見渡す視野があるのに、自身の生活を諦めざるを得なかった帝君こそが、璃月で最も大変な方でしょう。帝君と比べて、普通の「神の目」を持ち、普通の責任を背負うことしかできない私は、かなり楽ですよ。
●シェアしたいこと…:「万の商人が訪れ、千の船が往来し、百の品々が現れ、世の中の宝がここに集まる。」と人々はそう璃月を称賛しましたが、この壮大な景色があるのは、人々の努力の賜物です。私もこの繁栄に恥じないように働かなければなりません。
●興味のあること・名前:璃月のワンちゃんたちには名前をつけました。でも一部のワンちゃんは違う名前で呼んでも反応するんです。私が誰かに違う名前で呼ばれても、きっと反応できません。ワンちゃんたちはすごいですね…
●興味のあること・清心:清心の花弁は美味しいです…格別に美味しいです。美味しすぎるからこそ玉京台で栽培したくないのです。いつか我慢できなくなってしまったら…ん?えっと…苦い?…でも、それが清心の味ですよ。
●甘雨を知る・1:臨時の仕事ですか?あっ、詳細は言わなくても大丈夫です。要求を書いて、ここに置いておいてください。
●甘雨を知る・2:「甘雨のことをもっと知りたい」…な、なにこの仕事?そ、そんなの対応したことありません…昨年末の仕事の報告の暗唱はどうですか?えっ、だめですか?
●甘雨を知る・3:考えました…「仕事」ですから、「仕事」の対応するのに恥ずかしく感じる必要はありません。え?この…髪飾り?実は角です。私には仙獣「麒麟」の血が流れています。では、この秘密保持契約書にサインしてください、他言無用です…
●甘雨を知る・4:仙獣の末裔でありながら、私には人間の血も流れています。この数年間、璃月港の人間の暮らしにちゃんと溶け込んだかどうかわかりません…たぶん、私は地面に入る草スライムのように、自分をデータや報告表に埋めて逃げているのでしょう。
●甘雨を知る・5:話し相手になってくれて、ありがとうございます。十数年間口にしなかったことまで話したような気がします…こうして鍛え続けたら、いつか秘書以外の仕事もできるのでしょうか。百年以上の時間をかけたら、きっと重大なミスはしないはずです。
●趣味:趣味ですか?そうですね…仕事でしょうか。ん?仕事以外で?それはどうしてですか?趣味はしたいこと、すると嬉しくなることですよね。趣味が仕事のどこが問題ですか?
●悩み:どうして人々は、自分の存在は他人より価値があると証明したがるのでしょう?存在していること自体、素晴らしいことなのに…そうですよね?
●好きな食べ物:「甘露を飲み、嘉禾を食す」それが私のポリシーです。だから、あの美味しそうな仙跳橋を私の視界から消してください…
●嫌いな食べ物:私たち一族は厳しい菜食主義者です。肉料理は遠慮させていただきます。野菜団子に入れてもだめです…だめです、だめですから。においで分かります。
●突破した感想・起:力?…久しぶりですね。
●突破した感想・承:もし…平和な形で解決できたら、いや、なんでもありません…
●突破した感想・転:これが新たな生活の道でしょうか…わかりました、文句は言いません。
●突破した感想・結:古書で「麒麟が戦えば、日の光なし」という文章を見ました。そんな大げさなことはありません。でも戦う必要がありましたら、私は全力を出してあなたのために戦います。

関連キャラクター

夜蘭:夜蘭さんは、一年のうち七割近くを欠勤しています。ですが、凝光様が彼女にそのような特権を与えているのには、きっと何か理由があるのでしょう。もちろん、これは私が詮索すべきことではありませんので、詳しいことはよく分かりません。でもある日、月海亭へ帰る途中、あの方がたくさんの人と笑いながら、朝食とお茶をいただいているところを見ました。心の底から…少し羨ましいと思いました。

→あの秘書ね…私は彼女みたいに、休むことなく仕事をするなんてできないわ。しかも、彼女は効率も申し分ないでしょ。どうやら半仙の血統は、彼女にいくつもの利点をもたらしているようね。眠らなくても精力を保つことができるなんて…

煙緋:煙緋さんですか…彼女は子供の頃からすでに、契約を守ってこそ幸せな生活が送れるということを理解していました。その彼女も今はもう、あんなに立派に育ち、璃月の有名人になられています。
法律家の仕事は煩雑なものが多いですが、それを容易くこなす彼女を見て、私もとても安心できました。

→甘雨先輩は心の優しいお方だ。だが多忙で、昼寝以外の時間はすべて書類の処理に奪われている。私も仕事はするが、楽しくやれている。私の選んだ仕事は先輩よりもずっと楽なものなのだろう。

凝光:歴代の「天権」は璃月の古い法律に解釈と補充を行います。その中で、当代の「天権」、凝光の効率は最もいいです。ただ、あの効率と効果を求めるスタイルは非難されることがよくあります。欠点をとがめることは、受け入れることより簡単ですからね。

→たとえ甘雨でも、頼り過ぎてはいけないわよ。「上手の手から水が漏る」ということわざがあるように、大事なことほど自分の手で成し、自分の目で見てこそ安心できるの。

刻晴・わだかまり:帝君に対する彼女の態度に納得できません。でも…でも…「甘雨、これが今の璃月に必要な人材だ」って帝君が言いました。帝君の言葉を理解するためには、いろんなこととの接触をもっと頑張らないとですね。

考えを変える:最近彼女は碧水の貿易ルートを修復する案を自ら話してきて、帝君ならどうするかって聞いてきました。私たちが話した案は帝君と比べたらまだまだでした…でも彼女の帝君に対する思いが伝わってきて嬉しいです。

→いったい帝君が何をしたのか知らないけど、甘雨があんなにも忠誠を尽くす理由が分からないわ。けど、自分の考えを持たない人にもいいところってあるのよ――例えば不満があったとしても、何も言わず指示に従うとことか。

最近、私ひとりじゃ決断できないことがあったら、彼女の意見を聞きに行くの。彼女は璃月で最も帝君に詳しい人だからね。はぁ、昔、彼女の目の前で帝君の悪口を散々言ってしまったことを思うと何だか申し訳ないわ。幸い、彼女は特に気にしてないみたいだけど…

香菱:香菱はとても有名です!でも…「万民堂」あたりはあまり行かないことにしてます。あそこには食事の香りが満ちていて、いざ釣られて注文したら、たとえ野菜だけでも…食欲を我慢できません。そんなことしたら…

→甘雨?うーん…あっ、思い出したよ!あの菜食主義のお客さんのことだよね!「万民堂」に来た回数はあまり多くないし、いつも隅っこで静かに食べてるから、なんか可哀想に思っていつも多めに入れてるんだけど、毎回完食してくれるんだ、人は見かけによらないよね。

:彼は人間と距離を置いています、そういう性格だからでしょうか…理解はできますが、彼に「近づく」ことはできません。なにせ…彼と同じ「契約」を結んだ仲間はもういませんから…

→甘雨は仙獣でも凡人でもない、仙と人間の世界を渡り歩き、己が責務を頼りに自我を保っている、それ故迷うのも当然だ。…我?殺戮と生きることしか知らない夜叉が瑞獣を導けと?…馬鹿げた話だな。

モラクス(鍾離)・信頼:帝君のことは絶対的に信頼しています。あの時、帝君の統率があったからこそ、私たちは魔物を撃退し、海獣を降伏させ、皆さんの安全を守ることができました。帝君が人々を守る姿、そして千年に及ぶ誠意、私は忘れたりしません。

追いかける:帝君の決定はいつだって璃月の数多の命に幸せをもたらします。それに私は敬服し、そしていつか帝君のようになりたいと思ったのです…でも帝君の歩みを追いかけようとすると、緊張でミスすることがたまにあります…

→璃月の繁栄は「岩王帝君」のお告げのおかげだけではなく、「契約」に応えた無数の岩の神の民のおかげだ。その中で、最も長く職務についたのが甘雨だ。彼女の過去に関しては…ハハッ、彼女の気を悪くしたくないからな、彼女本人に聞いてくれ。

申鶴:私は彼女のことをよく知っているわけではありません。ただ留雲真君から、彼女は気性が荒く、心を抑えられなければ周囲に大きな危害を与えてしまうと聞きました…普段、暇を持て余し過ぎているからかもしれませんね。私が…彼女に仕事をお勧めした方がいいのでしょうか…?

→彼女については師匠から色々と聞いている…実際の彼女は、我が抱いていた印象とだいぶ異なるようだ。安心するがよい、このことは誰にも言わない。そういえば、近頃の璃月港はかなり賑わっているな…そのような俗世に溶けこむには、それなりの代償が必要であろう。

★白朮→仙人様は頑健ですから、たとえ病にかかったとしても薬なしで自己回復できます。けれど、人間はそうはいきません。ひとたび重い病にかかってしまえば、治療なしでは無事でいられないでしょう。

北斗:近頃、玉京台では南十字船隊へのクレームが止まりません。でも私が見た北斗船長の璃月に対する貢献は、でたらめな噂話を流す人々には想像もできないほど、ずっと多いです…あっ、すみません、失言でした。

→甘雨とは結構仲良くしてるよ!でもまあ、彼女は「璃月七星」の秘書だろ?「七星」がアタシのことを嫌ってるのは今に始まったことじゃないからな(笑)。アタシは別に構わないけど、あの子に迷惑をかけるのは嫌かな。うん、この話は他言無用にしてくれ。

八重神子→そういえば、甘雨の姉君には久しく会っておらぬな。稲妻がまだ鎖国をしていなかった頃、璃月と稲妻の間の事務はすべて妾と姉君が受け持っておったんじゃ。姉君は本当に頼りになるお方じゃ。今度璃月へ行く機会があったら、また新鮮なウミレイシを姉君に持っていくとしよう。

行秋:飛雲商会のあの青い服の少年は、彼の父親や兄のように織物の経営に熱心ではないようです。たぶん、彼にとってもっと大事なことがあるからでしょう。もちろん、これはあくまで私の推測です…

ヨォーヨ:ヨォーヨですか…総務司の知り合いに頼まれて、船上に行かないように彼女の世話をしています…総務司の業務範囲ですか?うーん…わ、分かりません。

→甘雨ねぇねはいつも仕事がとても多いの。この前なんか、疲れすぎて、芝生に突っ伏して寝てしまったって聞いたよ。はぁ…本当に心配…!そうだ…「抜き打ち検査」をしない?ねぇねがちゃんと自分の世話をしてるかどうか確認しにいこう!あっ…ちょっと待っててね、甘雨ねぇねが好きそうな花や草を少し用意してくるから…

その他エピソード
神楽の真意(かぐらのしんい)

★神楽舞を披露する際に使われ、宮司の祝福を受けた神鈴。神櫻の香りが漂っている。

★かつて御前で踊られたその舞は、鈴の音を今なお響かせている。
かつて追い求めた白き姿は、彼方へと去り、覚めやらぬ夢を志した…

「あの時の妾は、ただの小さきものに過ぎず、白辰主母様の霊智には遠く及ばんかった」
「無鉄砲で、まるで食べ物を求めて雪の中を駆け回るかのように、殿下の気を引こうとした」
「可笑しな話じゃが、その不器用で恐れ知らずな振る舞いのおかげで、妾は殿下の慈愛を賜ったのじゃ」
「それから妾は殿下に仕え、手足を温めるというささやかな特権を得た」

「じゃが…その後、斎宮様は帰ってくることができんかった。かつての先代方も、ある事情によって離れていった」
「才に欠けた妾ではあったが、『神子』の職を継ぎ、今のように成長したんじゃ」
「こうして、殿下を喜ばせるという責務は、不幸にも妾の肩にのしかかった」
「初めて神楽舞を献上したあの夜、やっと『過去』がどれほど重いものかを知った」

鈴の音が遠くへ響き、師であり友であった白銀の大狐が、夢のように長き川へと消えた。
再び鈴が鳴り響いて、牢固な砂洲が次第に緩み、果てなき渦へと溶けてゆく。
かつての穏やかで純白な姿は、とうに漆黒に染まった記憶となり、
仙狐一族の巫女は神楽の鈴で、生に満ちた「現在」のために舞う。

かつて頭の堅い若き天狗と出会い、「鍛錬」と称して彼女を山で修行させたことがある。
その奔放な振る舞いから、九条の頑固頭たちへと彼女を推薦した。
かつて負けず嫌いな鬼族と勝負した時、その尋常ならざる根気に敗れたことがある…
だが、ほんの少しの工夫で、勝負そのものを面白いものにした。
かつて遠国の半仙との交流で、柔らかく新鮮な海の幸を贈ったことがある。
それでもなお、彼女の愚直なまでの愛を理解するに至らなかった。仙人にとって、それは一種の束縛ではないのだろうか?
月光が枝や花びらを伝い、誰もいない庭に降り注ぐ。
無数の真珠のように美しく、この浅はかな心に輝いた…

「この短き数百年、妾は様々な身分で世を奔走してきた」
「常人と縁を結ぶような幸運には恵まれんかったが、人の美しさを深く知った」
「妾が友と呼ぶ殿下には、限りない時間があることじゃろう」
「共にこの不完全な世を見届け、愛憎と離合の執着を愉しもうぞ」

長きに渡り、殿下が永遠の夢に沈んでいる間、誰かが民衆を見守る必要がある。
悪鬼「黒阿弥」の怨怒を鎮めるため、不祥なる力を見せた。
禿狸小三太の大騒動を収めるため、僅かな法力を用いて手の平で転がした。
島々の秩序を乱す海賊林蔵は、些細な離間計により裏切られた。
あの真っ白な紙のような、日にも月にも傷つけられぬ傾奇者は…
「彼」が正しき道を歩み、災いにならぬことを願おう。
漆黒に塗られた剣豪の残魂も、神林に隠れし災異の獣も、すべて祓い清められた…
殿下と共に追い求めた永遠の夢に比べれば、それらは儚き須臾の間奏に過ぎない。
殿下の目覚めを待つ日々が、果てなきものであろうと、時間はいくらでもあると思えた。

「なにせ、無風無月の浄土にある永遠に枯れぬ蓮と優曇に比べれば」
「俗気にまみれた妾では、かような孤独に耐えられぬ。心も夢もなき者は、実につまらぬであろう」
「酔狂で雷櫻の枝を折り、勝手気ままな妖怪たちと戯れるほうがよほどマシじゃ」
「これらすべて、そう遠くない過去と、希望に満ちた未来」
「雪解けの頃、果たして殿下と共にあの薄紫の初芽を楽しむことができるじゃろうか」